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BH「すぐ気持ちよくなるから、な?」
どんどん近付いてくるベクの唇に拒む事が出来ずにいた。
いや、厳密に言えばすぐにでも拒めた。
でも私はあの時の甘い痺れを、くらくら陶酔した感覚を求めてしまっていた。
すぐ近くでベクの熱い吐息がかかって身を攀じる。
次に訪れる痛気持ちいい感覚に全神経を集中させた。
「っん…、ぁ…」
気付けば漏れてしまっていた私のはしたない声に思わず目を瞑りたくなる。
ベクは舌先で噛んだところを舐める。
押し寄せる快感の波に飲み込まれてしまいそうになるのを必死で堪えた。
BH「うっわ…たまんねえわ、」
低い声で笑ったベクは恍惚の表情を浮かべ、また傷口を深く抉る。
「いた、いっ…、」
BH「ホントかよ、痛いだけじゃねえだろ?」
蔑むような声に不快な気持ちになんてならなくて、寧ろ心臓が掴まれたような感覚に陥った。
ベクは私の腕から唇を離し、優しく目を合わせて私の唇にキスを落とす。
「っ…、はぁ、っぁ、」
BH「…あれ、もしかしてキス初めてだった?」
また意地悪く笑ったベクにどんどんのめり込んでいくのを感じた。
このままだと後戻り出来なくなる。
何せこの痛気持ちいい感覚は依存性がありすぎる。
私は拒まないといけないのに、そんな葛藤なんて馬鹿にするみたいにベクの歯は私の肌に沈んで行った。
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慣れというものは怖いもので、吸血されるのが日常になっていた。
そして私は今日もベクに腕を差し出す。
BH「Aの白い腕に噛み跡を残すのもいいけど、今日は気分転換に他のとこから吸わせてもらおっかなー。」
呑気に呟いて私の肌に指を滑らす。
首筋に触れられると、反射的に反応してしまう。
BH「ここは一番最初に吸ったし、今日は太ももなんてどう?」
「どうって言われても…、」
次にベクが触れたところは内ももで、あまりの恥ずかしさにぎゅっと目を瞑った。
BH「お前も素直になれよ。実際拒んでるフリして痛気持ちいいのが好きなんだろ。」
何も言い返せなかった。
ただなんの効力もない視線をベクに送るだけで、こんな淫らな生活の中毒になっている自分がいる。
BH「そういうとこも可愛くて好きなんだけどな。」
内ももに舌を這わせたベクは、いたずらっぽく笑ってみせた。
ベクを上から見下ろすと何とも言えない支配欲が掻き立てられてしまう。
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ぼぷぴ(プロフ) - 貴方様が書くお話、本当に面白いです…!!今回のギョンスのお話も最高でした…いろんな意味でドキドキが止まりませんでした!!これからも応援しています! (2020年3月24日 16時) (レス) id: eb25947e96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - 1話1話がすごく読み応えがあって面白いです。シウミンさんの物語とスホさんの物語が個人的にすごく好きです。これからも作者さんのペースで更新して頂けるとうれしいです。 (2020年3月17日 3時) (レス) id: 622a208a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 今日初めてこの小説を見つけたのですが、とてもハマって一気に読んじゃいました。どれも狂気的で特にセフンくんのは結末に鳥肌がたちました。すごく面白かったです。これからも頑張ってください! (2020年2月27日 1時) (レス) id: d5ef40128c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nel_ | 作成日時:2020年2月2日 1時