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意識が戻ったのは病院のベッドの上だった。



私の顔を覗き込んで涙ぐむ両親と、思い詰めた表情のチャニョルさん。



セフニの姿は無かった。



しばらくして病院の先生が来て、私の症状を伝えてくれた。



…私は嘘を吐いて逃げ出したから症状なんてないはずなのに、先生は記憶神経が壊れる薬の副作用だと言っていた。



もちろん、私の記憶が戻る事を望んでいる病院がそんな薬を出すはずはない。



…なんとなく、辻褄があった気がした。



私は両親に退室してもらって、チャニョルさんとお話してみる事にした。



「…あの、チャニョルさん。私達、以前はどういう関係だったんですか?」



CY「っ…!A……さ、ん…。」



涙ぐんでゆっくりと近付くチャニョルさん。



CY「抱き締めて、いい?」



私が頷くと、少し躊躇ってから強く抱き締めて涙を流していた。



私もチャニョルさんに腕を回して抱きしめ返した。



そうしないといけないと思ったから。



そうであるべきだと思ったから。



CY「…こういう事、出来る関係だった。あと…、」



私と向き合って、まだ付けたままのセフニに貰ったリングを見つめた。



CY「これは、俺があげたやつじゃないね…?」



困った様にはにかんだチャニョルさんに何も言えなかった。



私が見てた夢は正夢。



昔の思い出が訴えかけてたんだ。



「…ごめん、」



CY「ううん。俺こそ本当にごめん。いきなり病院から居なくなった時は本当に焦ったけど、こうしてまた会えて良かった。」



「え…?自宅療養の許可が出たんじゃないの?」



CY「…俺の部下のセフニだよね。それは嘘だよ。」



チャニョリは私の頭を撫でて、顔を歪めて言葉を選んでいった。



CY「…アイツは以前からAへの好意が凄かったから…。これから言うことは事実だし辛いと思うけど、聞いて欲しい。」



「うん…。」



チャニョリが勇気をだして伝えてくれるんだもの。



私も知りたいし、覚悟を決めないと。



CY「俺たちが婚約してから、好意は悪質なものになった。ストーカーに盗聴盗撮、嫌がらせ。お前はずっと悩んでた。それで、ストレスと寝不足から交通事故を起こした。でも実際は軽いものだった。記憶喪失になんてなってなかったんだ。」



…信じられなかった。



信じるしかないけれど、あまりにも現実離れした話だった。



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ぼぷぴ(プロフ) - 貴方様が書くお話、本当に面白いです…!!今回のギョンスのお話も最高でした…いろんな意味でドキドキが止まりませんでした!!これからも応援しています! (2020年3月24日 16時) (レス) id: eb25947e96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - 1話1話がすごく読み応えがあって面白いです。シウミンさんの物語とスホさんの物語が個人的にすごく好きです。これからも作者さんのペースで更新して頂けるとうれしいです。 (2020年3月17日 3時) (レス) id: 622a208a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 今日初めてこの小説を見つけたのですが、とてもハマって一気に読んじゃいました。どれも狂気的で特にセフンくんのは結末に鳥肌がたちました。すごく面白かったです。これからも頑張ってください! (2020年2月27日 1時) (レス) id: d5ef40128c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nel_ | 作成日時:2020年2月2日 1時

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