0.3＿月下獣 ページ3
.
この世界に来て早4年
私の躰には前世と同じ"雪国"が個性として宿った
名前も前世と同じで安心して居た
だが此処で1つの問題が起こった
『…母さん、父さん…？』
家の中がやけに静かだと思い様子を見にくれば、床に血の海を作り二人共倒れて居た
脈を確認するがもう冷たくなっており、手遅れだと判った
然して傷を見てみると、皮膚が"崩れていた"
周りに凶器らしきものも落ちてない
恐らく…否、確実的に個性持ちの仕業だろう
家の扉や窓を見るが鍵は掛かったままで、侵入された痕跡は全くない
確実に2人は此処に居た筈
なんの痕跡も無く家に侵入出来る個性に、触れたものを崩す個性…
『…安らかに眠ってくれ
…父さん、母さん』
意外と貴方達との生活は楽しかったから
私は血だらけの手で警察にこの事を連絡した
□■□
家に沢山の警察とヒーローが来た
母と父の遺体がある部屋とはまた別の部屋に移動し、警察から色々と事情を訊かれた
話す最中、話を訊く警察以外の視線が物凄く刺さって居た
恐らく親が殺されたのにも関わらず、表情が全く変わらない私に鬼魅の悪さを感じたのだろう
齢4歳の幼児が1人で生活するのは危ないとの事で、警察が親戚に連絡したらしいのだが、誰1人として私を引き取ってくれる者は居なかったらしい
予想出来て居た
親戚の人間も私の事を鬼魅悪がり嫌って居た
鬼魅悪い奴を引き取ろうなんて思う人は居ないだろう
別に私は1人でだって生きて行ける
元は貧民街育ちだ
其処ら辺に生えた食べれる雑草や木の実を食べたり、雑魚達から金品を奪ったり、仲間に食材を与えたり…色々な事をしてきた
生きる為に人だって殺した
あの時に比べれば、金も家も食材もある
家事だって出来るし、いざとなれば歳を誤魔化して働いてやる
そんな感じで心の中で燃えて居ると、1人の男が近付いて来た
警察「オ、オールマイト！」
ｵｰﾙﾏｲﾄ「私が来た！なんてね！
君が川端少女だね？」
金髪で巨漢…画風が全く違うこの男は、世間では平和の象徴、No.1ヒーロー【オールマイト】と云われて居る子供から大人迄に人気が高いヒーローだ
私は返事の代わりにｺｸﾘと頷いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フミツキ | 作成日時：2019年4月24日 0時
