蒼の炎【呪術廻戦×鬼滅の刃】

７話 ページ10

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「親に向かってその態度はなんだ！！」

『子供に向かってその態度はなんですか。』



父の言うこと１つ聞かなかっただけで、殴られ、怒られる家。

前世の家の方がまだマシだ。

親に見放されただけだったし。



「【言語術式】鷹揚自若(オウヨウジジャク)」


っ！！

…体が動かない。


父さんの術式だ。


【言語術式】

四字熟語や二字熟語の意味を具現化する術式で、呪言とは少し異なる。



「小さい頃にしっかり躾れば良かったな。」



父はそんなことをぼやきながら近づいてくる。

まずい、殴られる。


いつも父は、術式で自らの力を増幅して私を殴る。

下手すれば骨が折れる。



父が手を振り上げ、私は痛みに備えて目を閉じた。



･･･だけど、いつまで経っても痛みは来ない。

不思議に思って目を開けると、父の手は愈史郎さんと五条様によって防がれていた。


頭を動かせないから、後ろを見れないけど、気配で釘崎さん達もいることが分かり、安心する。

怪我人、いないみたいでよかった。




「お前…相当屑だな。言うこと１つ聞かなかっただけで殴るか？普通。」

「継国家の当主がこんな人だとは思わなかったよ。」



見た目は怖くなくても、圧はある二人に詰め寄られ、父は焦りと怯えの表情を浮かべる。


･･･私にかけた術式を解くのも忘れて。

これが、一番何をしようとしていたかの証拠になるということを忘れて。



「蒼神アンタ大丈夫？さっきから動いてないけど。」


見兼ねた釘崎さんが私に声をかけた。

父さんの術式で口を動かせないから黙るしかない。

目は動かせるんだけどなぁ……。


あ、そうだ。



【緋蒼廻法】


私は昨夜の雨でできた水溜まりの水を操り、地面に文字を書いた。


〔術式で動けない〕


水溜まりの水は少ないから、主語のない文になったけど、伝わったはず。


私の書いた文字を見た三人は五条様の元へ行き、何かを囁いた。



「そういえば、おたくの娘さん、さっきから全く動いてないんだけど大丈夫？」


父はその時、初めて私のことを思い出したのか、慌てて術を解いた。


「え、えぇ。突然の五条様方の訪問に驚いて固まっていたようです。」


「それにしては固まっている時間が長すぎる。

それに、数分前に僕とこの子会ってるから。」



ピリ…と空気が凍りついた気がした。






〔作者から〕

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