32話 ページ39
Noside
禰豆子はことのあらまりを説明し、炭治郎と共に謝罪した。
その目には涙が浮かんでいる。
その表情を見て五条は少し胸が傷んだ。
蒼神が何故眠っているか聞いた時は禰豆子や炭治郎に僅かに怒りが沸いた。
君達が代われば良かったんじゃ____
なんて、柄にもなく思った。
が、それは蒼神に対する冒涜になるし、別にワザとやった訳じゃない。代わりたくても代われなかったんだ。
そんなことよりも、蒼神がしたことを自分のせいだと思っている少年達をどうにかしなくては。
「君達が謝る必要はないよ。誰も悪くないんだから。強いて言うなら鬼舞辻無惨とかいう呪霊だよ。」
できる限り優しい声音で五条はそう言った。
精神年齢が低いと言われていても、五条は大人だ。
仕方がないことを激したりしない。
「五条の言う通りだ。誰も悪くない。謝ったら、それこそ継国に失礼だ。」
家入も五条に続いて炭治郎達を慰める。
五条も大人になったな……と思いながら。
医務室のベッドに横たわる蒼神の髪は下ろされ、シーツの上に広がっていた。
そこに、釘崎と伏黒がやってきた。
「蒼神が記憶を失くしたって本当!?」
釘崎は焦ったように五条を問い詰め、伏黒は____
「っ……」
呪われ眠りにつく姉と重ねてしまっていた。
しんみりした空気の中、五条はこう言った。
「死ぬ訳じゃないし、記憶もいつか戻るんだから大丈夫だよ。そんな暗い顔してたら、目が覚めた蒼神がビックリしちゃうでしょ。」
笑って笑って〜
とふざける五条の顔はいつもと変わらないように見えた。
「・・・そうね。また来るわ。伏黒、行くわよ。」
「・・・おう。」
「あ、そうだ。恵〜。蒼神は明日ぐらいに目覚めるってさ。」
五条は伏黒が津美紀と重ねていると察し、そう声をかける。
「分かりました。じゃあまた明日来ます。」
さっきより声音が少し明るくなったのを見て、五条は満足そうに微笑んだ。
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果鈴(プロフ) - 星猫さん» 鬼滅の刃、呪術廻戦、ハイキュー、約束のネバーランド、文豪ストレイドッグス、暗殺教室、ヒロアカです。暗殺教室とヒロアカは少し知ってる程度ですが……。 (2021年3月20日 8時) (レス) id: 71e0ecb3e1 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月20日 7時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
果鈴(プロフ) - プスメラさん» プスメラさん初めまして。コメント、応援ありがとうございます。この小説のオチは決めていないので、今後アンケートという形でオチを決めたいと思っています。折角コメントして頂いたのにすみません。 (2021年3月3日 17時) (レス) id: 71e0ecb3e1 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラ - 果鈴さん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願いします。続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年3月3日 17時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
果鈴(プロフ) - ましゅふわさん» ありがとうございます!頑張ります!一般入試…ですか。全力出し切りましょう!(偉そうにごめんなさい) (2021年3月2日 19時) (レス) id: 71e0ecb3e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:果鈴 | 作成日時:2021年2月25日 19時