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「は?お前馬鹿なんじゃねぇーの?人を喰っておいて悪くないなんておかしいだろ。」


「何の罪も無い人を殺して喰べるのは、どんな理由があろうとも許されることでは無い!!」



それは貴方達も同じじゃないの?


口から出かけたその言葉を飲み込む。



私は悪者なんだ。

どんな理由があろうとも。

私ではない誰かが原因でこうなったとしても。



彼らの持つ刀には【悪鬼滅殺】と刻まれていた。


つまり、私を殺す為だけに此処に来たと言うこと。



『・・・私を今殺した所で、此処に来る人が報われないけど良いの?』



私がそう言うのと同時に子供の声が聞こえる。



「あっ!お母さん!あの人が【生き神】様じゃないの?凄い!やっぱり今日が宴の日だからかな?」

「そうだね。噂に聞いていた通り、本当に美しい方...」





『初めて見る方ですね。最近引っ越して来られたのですか?』


「そうなんです!ところで後ろの人は...?」


『あぁ、さっき来られた方ですよ。本当に神様なのか疑っているんです。

私も人のことは言えませんが、派手な容姿の方々ですよね。』


「生き神様の他にもこのような派手な人がいらっしゃるんですねぇ。」



親子はこの場を去っていった。



「オイ、お前、さっきのはどういう事だ?」


『見て分からなかった?私は千年間、此処の生き神様として崇められているの。それにしても運が悪かったね。

よりによって1年に1度の宴の日に私を殺しに来るなんて。

じゃあ、私は宴の準備があるから。』



そう言って呆然としている2人の前を通り過ぎ、

私は社に入って行った。





・・・まただ。


硝子()の壊れる音がする。


この神社にある、黒い鉄の扉の向こうから。


【彼岸への扉】から。


私はその扉を開け、中に入る。



『私がただの鬼だったら良かったのに。』




巫女も彼女の母親も知らない、彼女だけが知る秘密




『さっきの"柱"の人達は私を悪と言っていたけれど、本当にそうかな。

・・・悪ってなんだろうね。』



その扉の向こうには、大きな川が流れており、


その川を人が渡る度に硝子の壊れる音がしていた




『悪って何だと思う?____【閻魔】』




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・→←【第二話 悪とは何か】



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作者名:果鈴 x他1人 | 作成日時:2020年10月14日 18時

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