【第四話 視ているもの】 ページ15
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「まさか、死ぬ前に聞いた言葉をもう一度聞くとはな、」
『私の言っている鬼は鬼舞辻に創られた鬼ではなく、地獄の鬼のことです。
貴方には地獄の鬼になって、鬼舞辻の生み出した鬼を倒して欲しいんです。
私の代わりに。』
死んでからも鬼を倒せるのなら良いと承諾してくれるはず。
そう思っていたのに、
「断る!!確かに、死して尚鬼を滅することが出来るのならば本望だ!だが、俺は死んだ!
鬼舞辻の創り出した鬼とは違うものでも、鬼には変わりない。
俺は人間だ。猗窩座との戦いで死んだ。
それで終わりだ。もし、俺が此処で鬼になったら今まで亡くなってきた人が報われない。
俺はこのままでいい。」
あぁ、そうだった。貴方はそういう人だったね。
『分かりました。このことは聞かなかったことにしてください。』
私達は全てを視ているようで視ていない。
あくまでその人の行動や会話しか鏡で視れない。
その人の気持ちまでは分かることが出来ない。
『閻魔大王様の場所はこの先です。彼女に伝えてください。
何かが変わる気がする。と。』
「了解した!」
何かが変わる気がする。
直感じゃない、本能的なもの。
________頭の中に景色が流れ込んでくる
竈門炭治郎君が鬼になる。
水柱さん、風柱さん、我妻善逸さん、嘴平伊之助さん、栗花落カナヲさんだけが生き残る。
息が苦しくなって、その場に蹲った。
私は地獄の鬼、美命。
母さんのせいで鬼になって、人を喰べた日に閻魔に地獄の鬼にして貰った。
《違う》
何も違わない。私は地獄の鬼だ。
《違う》
何、何が違うの、
《全て》
私は間違ったことは言っていない!
《気づけ》
だから何に!
ねぇ、
私は何者なの?
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作者名:果鈴 x他1人 | 作成日時:2020年10月14日 18時