【第三話 陽の光】 ページ11
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大勢の人に囲まれている円の形をした舞台。
強い風が吹いた。
その風が止むと、舞台には美命が居た。
煌びやかな着物や簪をつけ、紅色の扇子を持っている。
静かな舞台の上に美命の足音が響く。
一定の感覚で足を踏み鳴らし、扇子を使って舞う。
時折、冷たい風が吹いて彼女の綺麗な白い髪を揺らす。
宇髄と煉獄は、本当にさっきのあの鬼なのかと考える。
それ程までに彼女は別人のように舞っていた。
そして、楽しい時は一瞬で過ぎ去るもの。
気がつけば東の空が白み始め、美命は社に帰っていた。
人々は帰っていたことに気がつかず、唖然としていたが、暫くすると帰って行った。
＿＿＿＿＿＿＿＿鬼殺隊の2人を除いて
服を着替えて外に出ると、鬼殺隊の2人がいた。
『あれ、まだ居たんだ。』
「なｯ、お前太陽派手に克服してんのかよ？！」
「先程の舞は綺麗だった！思わず鬼だと言うことを忘れるところだった！」
『それはどうも。じゃあ産屋敷邸に行くから、サヨナラ。』
慌てて刀に手をかける2人を余所に、私は産屋敷邸に向かって走り出した。
早く走れ、
あの2人は柱だからゆっくり走ると追いつかれる。
もう、これ以上罪を重ねたくない。
私のした事は決して許されることでは無いけれど、償う方法はある。
どんなに非難されても何もしないよりはマシでしょ？
日光を克服したから死ぬに死ねないし。
《生き神様、結核を治して頂き本当に有難うございます！》
《生き神様！見えなかった目を見えるようにして頂き有難うございます！》
ふと、今まで私が助けて来た人のお礼が脳裏に浮かぶ。
私が神社を抜け出したことは本当に正しかった？
今からでも戻って人を助けた方が良い？
必死に動かしていた足が止まった。
《美命。貴女は神様なんですよ？》
・・・母さん。
私は神様じゃ無いよ。
「あの、大丈夫ですか？」
私に話しかけてきたのは、耳に花札のような耳飾りを付けた男の子だった。
鬼殺隊の隊服を着ている。
『君は優しいね。私が人を喰べた鬼だと知っていても心配してくれた。』
太陽のような人だ。
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作者名：果鈴 x他1人 | 作成日時：2020年10月14日 18時
