いちから、じゅうまで (ページ43)

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ミノ先輩の驚いた顔はしばらく元に戻らず、手を振ってやるとやっと戻った。

LK「俺完全に付き合ってるのかと思ってた、スンミニに話しかけに行こうとした日も、二人の空気がめちゃめちゃめちゃいい感じで、邪魔しない方がいいなって勝手に勘違いして帰っちゃったじゃん」

ミノ先輩はスンミンくんに話しかけたかっただろうに、申し訳ないことをしたなと思い

『ミノ先輩、勘違いさせてごめんなさい』

と謝った。この数ヶ月、関わる人の数こそは少なかったがその少ない人数と密に関わってきたため、話すのはだいぶ上手になったな。と自分に感心する。

LK「いいよいいよ、勘違いした俺が悪いし。それよりもミノ先輩って呼ぶのやめてよ、ちょっと遠い。ミノオッパって呼んで」

この人もイエニと同じような距離の詰め方を取るな。始めヌナと呼びたいって言われて困惑したっけ。
少し前のことを懐かしみながら、新しい敬称で先輩を呼ぶ。

『分かりました、ミノオッパ』

LK「そう、それでいい」

ミノオッパは、満足気に口の片方の端だけを上げて、にやりと微笑んだ。