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《Your side》
『あつい…』
炎天下の中長時間歩くのは休みに外にあまり出ない私にとってかなりこたえた。でもこれもデートの予行…と思いながら、町外れの服屋が立ち並ぶ通りまで訪れた。
スンミンくんは何となくふわふわとした感じなので、柔らかい印象の服の方がいいかな。と思って服を選ぶ。
一通り買い終わり、せっかく外に出てきたからと思い立ちカフェで一息つくことにした。
店員さんを呼ぶため、呼び鈴を叩く。
LK「はい、ご注文お伺い…」
『あ…』
LK「…おお、A」
ミノ先輩が、アルバイトをしていた。
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ミノ先輩は丁度退勤時刻がすぐだったらしく、よければ相席してもいいかと問われ断る理由もなかったので二つ返事で了承した。そして私の注文を受けてからすぐ私服に着替えて私の前に座った。
LK「これ、注文品。あとまかないあげるよ」
先輩が差し出してくれたのは頼んだカフェラテと、フルーツタルトだった。
『ああ、ありがとうございます。』
先輩が一生懸命働いたから出るまかないなのに。と思いながらも受け取ったからには食べない訳にはいかず、ちまちまと食べ進める。
LK「俺Aって勝手に呼んじゃったねさっき。仲良い訳でもないのにごめんね」
『いえいえ、先輩ですし。構いませんよ』
差し障りない返事をする。
LK「そういえば、誘っといてこんなこと言うのはなんだけど、俺とここで話しててもいいの?」
『何故?』
LK「スンミニは?怒んない?」
ん?
『なんで…?』
スンミンくんは怒らないだろ。なんでここでスンミンくんの名前が?
LK「なんでって…付き合ってるんじゃないの?」
『付き合ってないです』
LK「え、でも俺がスンミニに会いに行くと大体Aとニッコニコでお話してるじゃん」
『ただお話してるだけです』
LK「えっ、じゃあ本当に付き合ってないの?」
『本当です』
ミノ先輩はくりくりのアーモンドアイをさらに丸く見開いて唖然としている。何がおかしいんだ。
『私とスンミンくんの間には、ミノ先輩が思ってるような関係はありませんよ』
やんわりと、それでもってきっぱりと否定した。
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作者名:でんでんい | 作成日時:2024年1月21日 2時