いちから、じゅうまで (ページ41)

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呼び捨てが思ったよりも心にきて思考がフリーズしてしまったけれど、スンミンくんとの予定を決めないとと思い我に返る。

カレンダーを確認して、私の予定に支障がない日を絞る。もとよりそこまで予定が入っているわけじゃないんだけど。

8月入っちゃえばいつでもいいよ

スンミンくんがなるべく選びやすいように返信する。

すぐに既読がついて、液晶越しのスンミンくんが私と会話をするためにスマホを見ていると思うととても愛おしかった。しばらくして

승민이じゃあ8月入ってすぐに行こう、1日とか
승민이僕、はやくAちゃんに会いたい

なんて返ってきたので、私の頭はどうにかなりそうだった。8月になればいつでもいいとは言ったけど、まさか最速を選ぶとは思わなかったから。
しかも、はやく会いたいだなんて。スンミンくんはたとえ私に恋愛感情を向けて居ないとしても、いい友達くらいには思ってくれていそうで頬が弛む。
あ、ちゃん付けに戻ってる。やっぱりさっきの間違えだったかな。
そんなことを考えながら

わかった、楽しみにしてるね
集合場所はどこにする?

とすかさず次の話題も提起すると

승민이家にお迎え行くよ
승민이駅まで一緒に歩こう

『……………は？』

本当にスンミンくんという人間は罪な男で、私の家までお迎えに来てくれるらしい。
脳は焦りきっているけど手元は意外にも冷静で

本当?嬉しい、ありがとう

と返事をしていた。

いよいよ現実味を帯びてきたスンミンくんと私の俗に言うデート。一旦トークルームを閉じて心を落ち着かせる。

『そうだ、服決めなきゃ……』

今日は服選びに行くことにしよう。私はそう志し、部屋着から着替え始めた。