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2年の学年色の赤色のネクタイに胸ポケットについた3組のクラスカラーの水色の校章バッジ、恐らく僕と同じクラスの子。普通ならここで声をかけるべきだけど、笑いものだの物騒なことを言っていたので少し様子見をすることにした。
『2年校舎棟はどこなの……』
スマホを逆さまにしたり戻したり、きょろきょろ辺りを見回して廊下を行ったり来たりしていることからして、彼女は自分のホームルームに辿り着けずに困っているんだろう。
そこで僕の足が動いた。
SM「2年...3組の子、だよね?」
突然の声掛けに驚いたのか彼女は一声も上げず肩を思い切り震わせてゆっくりとこちらを振り返る。
『……だれですか』
彼女はそう言いながら訝しげな顔で僕を見つめる。真っ黒な瞳に張ったいっぱいの涙が太陽光を乱反射している。
綺麗な目だなあ。
SM「怪しい者じゃないよ。僕はキムスンミン。
ネクタイと校章バッジの色が僕と同じだったから、同級生だなって思って声掛けたの。困ってるんでしょ?ホームルームまでなら連れてくよ。」
そう言うと彼女は口をへの字にして
『よろしく、お願いします……』
と不満げに漏らした。
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作者名:でんでんい | 作成日時:2024年1月21日 2時