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《I.N side》
これは、ただの僕の独白。
『うん、それでその時スンミンくんが…』
『それこないだスンミンくんも同じこと言ってたよ』
『スンミンくんがまた授業中に…』
ご飯を食べながら、目の前で楽しそうに話すAヌナ。
聞く度に
「ああ、ヌナは
と痛烈に感じる。
僕はヌナに好意を抱いているわけでも、スンミニヒョンに対して過激思想を持っているわけでもない。
ただ、唯一の親友で幼馴染のヒョンと、同じく唯一の相席担当のヌナのことが、ただただ親友として、弟として大好きなだけ。
もしそんな僕の大好きな2人が、密かに互いに想いを馳せているのであれば、勿論応援しない理由は無い。
現に僕は両者の恋愛相談をストレートに受けている。聞いてる分には微笑ましいが、碌な恋愛経験のない僕にとって2人の惚気は、あまりにも甘い。甘すぎる。
口を開けば『スンミンくんが授業中にまたちょっかいかけてきて恥ずかしいし気になっちゃうし実際私も授業よりスンミンくんの方が見たいから授業に集中出来ない』だの「実は静まった教室の中で風に揺られるAちゃんのボブヘアーを見つめられるのは僕だけなんだよね」だの。頭がおかしくなりそうなくらいだ。
IN「もう早く、付き合ってくれないかな……」
半ば呆れた気持ちを白い天井にぶつけてから、明日は僕にもいい人が現れますように、なんて邪念もふつふつと煮立たせながら僕は眠りについた。
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作者名:でんでんい | 作成日時:2024年1月21日 2時