いちから、じゅうまで (ページ33)

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《Your side》

『美味しいご飯食べたりとかしたいなぁ。
あれ言ったっけ、私高校生になって初めて大邱からソウルに出てきたんだよね。もう一年と少し経ったけど、まだまだ未開の地でさ。ソウル広いじゃん。流石首都。』

私の口からはぽんぽんと、恥ずかしさを埋めるための言い訳達が沢山出てくる。何流石首都って。

一頻り話し終えてしまうと余計に羞恥心を覚えてしまい、スンミンくんの方をちらりと見遣ると、何か神妙な面持ちで考え事をしているようだった。こんなにいっぱい話してたのに何も聞いてなかったかな。

そんなスンミンくんにちょっとだけ、ほんのちょっとだけ意地悪がしたくなって、依然として表情を動かさないスンミンくんを、またちらちらと見たり目を背けたりを繰り返しながら

『ソウルをよく知るシティーボーイに案内してもらいたいなぁ、どこかに居ないかしら』

と、分かりやすいにも程がある誘導尋問紛いな事までしてしまった。

固まったままだったスンミンくんを、今度はじっと見つめる。

数秒後、それに応じるかのようにスンミンくんは椅子をガタッと鳴らし勢いよく私の方へ体を向けて

SM「じゃあ、全部やろう

Aちゃんのやりたいこと、全部」

とか言っちゃうんだから。

本当に、ずるいったらありゃしない。