いちから、じゅうまで (ページ29)

今日:24 hit、昨日:2 hit、合計:32,746 hit

・ページ29

・

『違いま〜す。』

僕の第一希望は外れてしまったらしい。

SM「じゃあ何に出るの？」

『正解は〜…

放送委員なのでクラス種目の綱引き以外出ません！でした〜！
出ないけど役員の仕事はあるからプログラム確認してたの』

呆気に取られる。
僕は完全にその手を忘れていた。
どうやら、体育祭で悠然と種目を熟すAちゃんを集中して見ることは叶わないらしい。
相当落胆した顔をしていたのか、Aちゃんは僕を宥めるように

『マイク越しだけど、学内でいちばん大きな声でスンミンくんを応援しちゃうから頑張って！』

なんて言って笑ってる。
こっちは華々しく終わりたい一学期最後の登校日にこんなに落ち込んでいるのに。

そうだ。今日は一学期最後の登校日なんだ。
今日帰ったら最後、向こう一ヶ月はAちゃんと会話が出来ない。

SM「もう、出ないなんて選択肢ずるいって

責任持って夏休み僕と遊んでよ」

責任もクソもないだろ。

そんなことを考えるよりも先に口は動いた。