いちから、じゅうまで (ページ22)

今日:33 hit、昨日:26 hit、合計:32,781 hit

・ページ22

《Seungmin side》

教室に入ってきたAちゃんに、すぐに感じた先程との違和感。

SM「……怒ってる？」

『怒ってない』

SM「怒ってるじゃん」

そう僕が言うとAちゃんは口をとんがらせて俯いた。

しばらくして未だ怒っているAちゃんが顔を上げて放った一言は、僕を困惑の底へと叩き落とした。

『………ヤンジョンイン』

SM「え、え？」

『イエナが、言ってた！！』

なんで？僕はまだくん付けなのに、イエナは呼び捨てなの。

第一、どこでイエナと知り合ったの？

聞きたいことは山ほどあったけれど、今聞くとAちゃんが困惑しちゃうからと、全部抑えてAちゃんの応答を待つ。

きっと今、僕は人に見せちゃいけないくらい顔を顰めてると思う。

SM「何を？」

『スンミンくんは、イエナに私の話をする時、とても幸せそうだって』

SM「えっ」

えっ。戸惑う僕を他所にAちゃんは続ける。

『なんで私には言ってくれないの、

自分は私に一から十まで教えろって言うくせに』

状況把握が出来ないままAちゃんの理詰めに押される。

『私だって、スンミンくんのこともっと知りたい。何してる時が楽しいとか、何が好きとか。』

ああ

『私ばっか知られていったら、不公平じゃん……』

本当に予測不可能な子だな。