いちから、じゅうまで (ページ19)

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《I.N side》

どうやらヌナは何か勘違いをしているらしい。しかもかなり致命的な。

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SM「イエナ、Aさんがね……」

IN「おお。」

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SM「イエナ聞いてくれ。Aちゃんが………」

IN「おお。名前呼びになった。」

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スンミニヒョンはこの数日間で僕にたくさんヌナの話をしてきたけど、その全部がまるで惚気みたいで甘ったるいものだってヌナは知らないんだ。それで以て別にヌナに興味がある訳じゃないなんて捨てセリフを吐くんだから、素直じゃないけど健気なヒョンらしくて素敵だなと思う。

きっとヌナはヒョンが、ヌナを揶揄うような話題を僕にしてると思ってる。

ヌナの真っ黒な瞳の奥が燃えている。スンミニヒョンへの復讐心の炎なら面白い。

僕はその炎に油を注ぐ気はなかった。

大好きな幼なじみの笑顔が脳裏に浮かんで、僕は笑みを浮かべながら口を開く。

IN「スンミニヒョンは、ヌナのことバカにしてなんかないですし、ヌナのこと話す時すごく楽しそうなんですよ。進級してすぐなんかお友達とクラス離れちゃったらしくて全く学校楽しみじゃなさそうだったのに。」

当のヌナは、あんぐりと口を開けている。何を驚いているのか知らないが、面白いから放っておく。

ヒョン、僕は応援してますよ。