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そして冒頭に戻る。
依然として寝ぼけた頭を叩いて授業に集中しようとするが、私は睡魔への対抗が無駄なことを知っている。
SM「ねぇ、Aちゃんってば〜」
いつまで経ってもスンミン君は私に話しかけてくる。授業中なんだから黒板見なよ。
私は呆れ交じりの大きなため息をついてペンケースから付箋を取り出して、
『(なに?)』
こう殴り書いた。
これ以上私に何を言っても発声しないと諦めたスンミンくんは、大きく頬を膨らませながら私と同じように付箋を取り出して文字を書き始めた。
SM「(喋ってくれないの?)」
『(そりゃ授業中だから)』
SM「(いいじゃん、先生気にしてないよ)」
『(そういう問題じゃないでしょ)』
SM「(じゃあさ、絵しりとりしよ)」
『(なにもじゃあじゃないけど、いいよ)』
SM「(じゃあ、Aちゃんから)」
犬みたいで可愛らしい表情とは裏腹に意外と男の子らしい乱雑な字体を次々に私に見せてくるスンミンくん。
今から私達は絵しりとりをするらしい。
私は絵が得意じゃないから、簡単なミカン(韓:귤)を描いてスンミンくんに見せた。
スンミンくんはまじまじと私の絵を見た後に
SM「……?」
なんとこいつ。
首を傾げた。
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作者名:でんでんい | 作成日時:2024年1月21日 2時