まどろみの空隙２（ Yuri.C ）

まどろみ（67） ページ22

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大貴「 よっ 」


A「 ！！······ 大貴、」


大貴「 ふは、そんな驚いた顔すんなって 」




放課後、教室でダラダラと友だちと話した後、一人で昇降口を出ようとすると


小走りでやってきて大貴が、私を追い抜いてくるりと振り返った。




··· 久しぶりに聴いたな。懐かしい彼の声



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大貴「 久しぶりだなー、クラス違うと会えないもんだね 」


A「 ほんとそうだねえ、··· 元気にしてた？」


大貴「 うん、俺は相変わらずだよ。Aは？」


A「 ふふ、よかった。私も相変わらず！」




オレンジ色に染まった空と私たちに、乾いた風がさらりと吹く。遠くでヒグラシが鳴いていて。





A「 最近どう？その、色々 ···？」


大貴「 んー、夜は前ほど顔出さなくなったかな。あとは、裕翔と二人でメシ行ったくらい？」


A「 えっ、本当！？」




本当に驚いた。

あの犬猿の仲だった大貴と裕翔が、二人でご飯だなんて ···！




A「 ど、どうだった？」


大貴「 アイツ良い奴だよね、··· 昔の自分がちっぽけだなって思った 」



大貴が顔を俯けて儚げに笑うから、何だか少しだけ切なくなった。



A「 そんなことないよ。··· でも、ほんと良かった、嬉しい 」




離れて、お互い少しは成長することができたのかな。



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もっと優しくなったように感じる大貴と、関係は変わったけれど、前と同じように肩を並べて笑い合えるなんて嬉しくて


少しだけ、泣きそうになってしまった ······





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