まどろみの空隙（ Yuri.C ） (ページ42)

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まどろみ（42）ページ42

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薄暗いリビングに入ると、お風呂から上がったばかりの様子の侑李くんがいた。

私に気付くと、飲んでいた水のペットボトルから口を離す。

侑李「 ··· あら、」

A「あ ··· ただいま、！」

侑李「おかえり。早かったね」

私の深夜帰りをよく知っている侑李くんにとって、夜10時の帰宅は早い方で

私のことを理解してくれているようで、ちょっとだけ嬉しかった。

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侑李「お風呂、Aで最後だよ」

肩に下げたタオルで耳の辺りを小さく拭きながら、ペタペタと裸足で歩いてくる侑李くん。

侑李「あと、夕飯Aの分もちゃんとあるよ。食べられる？」

A「あ ··· うん！」

侑李「じゃあ先にお風呂入ってきちゃって。ご飯やっといてあげる」

侑李くんは目線を合わせずに、少し早口でそう言った。

A「 ······ ありがとう、」

優しさが沁みるんだよなあ、、

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A「わあ、オムライス！！」

ホカホカと湯気を上げてテーブルに置かれているのはデミグラスソースのかかったオムライス。

侑李「はい。召し上がれ」

私に椅子に座るよう促して、銀のスプーンを差し出した侑李くん。

A「いただきます ··· 」

大きく掬った一口。

A「んー、！おいひい！！」

侑李「ふふ、」

待ってましたと言わんばかりに、私の反応を見て満足そうに口角を上げる。

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