まどろみ(5) ページ5
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大貴「 ぎゃはは!!」
友だちのバイクに腰をかけながら大声で笑う大貴を、少し離れた所から見つめる。
······ 二日目から深夜帰りなんて、流石に良くない?
携帯のディスプレイに表示される時刻をぼんやりと眺めていると、
「 Aも飲もうよー、ほら 」
既に酔った状態の女子メンバーの三人が地べたで胡座をかいたまま、私にアルコールを勧める。
A「 ごめん、調子悪いからいいや。······ 今日はもう帰るね!」
「 程々にねー 」なんて言って三人の頭を撫でて、その場を離れた。
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A「 ······ 大貴、」
大貴「 あぁ?」
A「 帰るね、おやすみ!」
付き合って知った。機嫌の悪いときには、要件だけを簡潔に伝えてそそくさと去るのがイチバンなんだと。
無言のまま頷いた大貴を見てから、隣にいた二人の男子にも手を振って、早足にそこから離れる。
時刻はまもなく午前一時半。
確か裏口があった。··· そこから入ろう。
すっかり寝静まった慣れない住宅街を辿って、暗闇の中、街灯だけを頼りに一人で家へと向かう。
一度だけ、振り返った。
送るよ、って、追いかけて来てくれたりしないかなって。
······ ふふ。こんなこと、もう慣れたけど。
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作者名:めい | 作成日時:2018年7月15日 16時