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まどろみ(34) ページ34

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宏太「 ん〜、やっぱりお鍋はいいね!」


うまい!と言って、口をもごもごとさせながら、親指を立てた宏太さん。



(莉奈)「 ちょっと宏太、肉ばっかり食べないでよ!野菜も食べてっ 」


宏太「 ちょ、おい!」



細長いテーブルで、向かい側に座る宏太さんと(莉奈)さんが仲良さげに笑い合っている様子に、笑みがこぼれる。




侑李「 ん ··· おいし、」



隣で小さく聞こえた声に、はっと我に返った。




A「 美味しいね、」



熱々のお肉を口にし、はふはふと息を吐く姿は可愛らしい。




と、そのとき。




侑李「 う、」


侑李くんの顔がくしゃりと歪んだ。



A「 え?どうしたの ···!?」



驚いて落としかけた箸を慌てて置く。

口に入っていた「 何か 」を飲み込んだ侑李くんは、ペロリと舌を出した。




侑李「 ··· これ、ナス入ってる、」


A「 え?」



侑李くんがお鍋用の箸でお鍋を探ると、下の方から現れたナス ···



侑李「 もう、お手伝いさん。僕が苦手だからって、、」



唇を突き出しながらも優しく揺れる横広の目。




A「 なんだ、もう。びっくりした ··· ふふ、ナス嫌いなの?」



掴めない彼の小さな弱点(?)を知れたことが、少しだけ嬉しい。··· こんな気持ち、初めてかも。



侑李「 うん ··· Aは?」


A「 私はむしろ、好きだけど ··· 」


侑李「 ! 」



口を結んだまま目を丸くした侑李くんに、思わず吹き出してしまった私。


釣られるように笑った侑李くんと、二人でまたお鍋をつつく。





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作者名:めい | 作成日時:2018年7月15日 16時

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