まどろみの空隙（ Yuri.C ） (ページ4)

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まどろみ（4）ページ4

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お父さんとお母さんは急な出張で海外に出てしまっていて、二ヶ月後程には帰ってくるという。

初めにちゃんと挨拶したかったな ······

お手伝いさんの作る、朝から豪華なバランスの良い食事。一つ一つの美味しさに感動しながら完食して、歯を磨いていると

「 ··· 行ってきます、」

玄関からそう侑李くんの小さな声がした。

え、行っちゃうの！？
学校は違うけれど、途中まで一緒に行くもんだと思ってた ···

小さな虚しさを無視して、支度を済ます。

考えてみれば侑李くんとは、昨日からろくに会話もしてないかも。

何だか掴めない彼と、打ち解けられるだろうか ····

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「ええっ。まぁじで？」

今回の事情を話したなり、大貴は笑いながら、グーにした手を口に当てた。

大貴「大変だと思うけど、頑張れよ」

私の手を軽く引いて、引き寄せる。

胡座をかいた大貴にすっぽりと包まれた。

大貴「でも、なんか。ちょっと嫌だわ、」

A「 ··· ん、何が？」

大貴「だって、男もいるわけだろ？」

A「うん。でも、大丈夫だよ」

大貴「 ······ 大丈夫かなんて、分かんないだろ」

大貴の声のトーンが少し変わって、ビクリとする。

小さく見上げると、色の変わった大貴の目。

A「ごめんね、気を付ける」

なるべく自然に笑ったつもり。

そんな私の頭をわしわしと撫でた大貴。

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