まどろみ(30) ページ30
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侑李「 ······ ごめん 」
消え入りそうな声でそう言って、私の頬からそっと手を離した侑李くん。
間接照明の柔らかな光に包まれた空間で、侑李くんの黒く艶やかな瞳がゆらゆらと揺れる。
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侑李「 風邪引くってば ··· 」
いつの間にか意識を手放していた私の耳に、シーツの擦れる音と、薄手の布団を肩まで掛けられる感覚。
A「 ん ······ ごめ、」
侑李「 ··· いいよ、寝なよ 」
薄く目を開けて身を起こしかけた私を制するように、頭に手を置いてそっと抑えられた。
侑李「 おやすみ 」
A「 おやすみ ··· 」
薄れる視界の中で、侑李くんの柔らかい表情が見える。
なんかふわふわして、幸せな気持ちだ ···
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枕元にある携帯のバイブ音で夢から醒めた。
向かいには私に背を向けて、私と同じ布団を腰まで掛けた侑李くんの姿。
寝顔が見たくて、つい、出来心で首を伸ばし顔を覗き込んだ。
A「 ···!」
か、可愛い ··· 、、!
すうすうと聞こえる小さな寝息と、規則正しく上下する胸のあたり。
目尻に向かって長くなるまつ毛、形のいい唇に、思わず見とれてしまった ···
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はっと我に返ったのは、もう一度携帯がバイブ音を立てたから。
シーツの上にあるまま携帯を表に返すと、
「 大貴:おはよ!起きてる?」
「 大貴:今日サボろ、俺んち来て 」
···
揺らさないようにベットから降り、布団を侑李くんの肩まで掛け、寝顔をもう一度こっそり覗いてから。私はドアノブに手を掛けた ···
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作者名:めい | 作成日時:2018年7月15日 16時