まどろみ(24) ページ24
.
侑李「 おかえりなさい 」
A「 !ただいま、··· 」
間接照明に照らされ、ソファに座ったままこちらを見た侑李くんは、この空間に溶けてしまいそうだと感じた。
まさか降りて来てくれてると思わなかった。
でも、彼には以前も深夜に帰ってきている所を見られたわけで、··· ちょっとキマヅイ。
.
侑李「 ··· 何か飲む?」
A「 へっ?だ、大丈夫、、ありがとう 」
しかし、ピリリと感じたのは一瞬だけ、しかも私だけだったよう。
とろりとした時間の流れ。彼と話していること自体が、何だか不思議な感覚 ···
侑李「 そうだ ··· 教えたいことがあるんだ。ちょっと来て 」
A「 えっ?」
立ち上がり、振り返りもせず歩き出す侑李くんの、艶のある黒髪に黙って着いて行く。
.
侑李「 ここ、··· ほんとは僕の部屋なんだけど 」
彼は裸足のまま長い廊下をペタペタと歩き、突き当りに現れた細い階段を登り
現れた焦げ茶色の木のドアに鍵を差し込んだ。
侑李「 この部屋は外の階段から繋がってるから、そのまま入れるよ 」
A「 わあ、凄い!··· 隠し部屋みたい、」
目の前に広がった六畳程の部屋はモノトーンカラーで統一されていて、食料すらあえば十分過ごせる充実っぷり ···
侑李「 宏太も(莉奈)も知らないから、そうと言えばそうかもね 」
一人掛けのソファに胡座をかいてリラックスした様子の侑李くんが、きゅ、と口角を上げる。
まさかこんな部屋まであるなんて。
子供のときのようなワクワクが、溢れ出すようだった。
深夜3時過ぎ
眠気と酔いなんて、もうとっくに消えていた ···
.
455人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めい | 作成日時:2018年7月15日 16時