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まどろみ(22) ページ22

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「 嫌いなら飲まなきゃいいのに 」とさらりと言った裕翔の、端正な顔立ちが頭をよぎった。


吐き気でフラフラになった私の背中を、さすり続けたりもしてくれたっけ ···






大貴「 あれA、もう飲まねぇの?」



私が半分程しか口にしていない缶のアルコールを傾けて、大貴は口から白い煙を吐く。



A「 うん、もう酔っちゃったかも 」

大貴「 ほんと弱いのね、貰ってい?」



頷くと、それを口にした大貴は「 あんまっ 」と口をすぼめた。



仕方ないじゃない。私がお酒が苦手で、ましてや甘いものしか飲めないの、知ってるでしょ?

··· なんて、ちょっと思っただけ。



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きっと深夜の1時を超えたあたりだろう。辺りはすっかり寝静まっていて、コンビニだけが煌々と光る。


いつものようにまだまだ帰る気配のない皆に、私は時々合わせて笑うだけ。


私、何してるんだろ ···





大貴「 ··· ね、今日泊まる?」



彼の瞳はただでさえ潤みがちなのに、アルコールが入っているから更に潤んでいて、いまにも涙が零れそう。




A「 今日、は ··· いいかな、学校あるし 」


大貴「 ··· ちぇー、」




む、と唇を歪ませた大貴が、甘えるように私にもたれ掛かる。


焦げ茶色の髪を撫でると、幸せそうにそっと目を閉じてしまった。




ふふ、可愛い ···


きゅんとして。すごくすごく、大貴が愛おしい。






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作者名:めい | 作成日時:2018年7月15日 16時

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