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まどろみ(13) ページ13

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ためらって、何度か伸ばした手を引っ込めた


勇気を出して、コンコン、と彼の部屋のドアをノックする。



A「 ゆうり、くん!··· いる?」


変に上ずってしまった声が恥ずかしい。




しかし、少し待っても返事は無く、開かないドア。


······ 寝ちゃってる?




寝てるなら仕方ないかあ。ちょっとだけしゅんとして、廊下を引き戻そうとしたとき、




「 ············ はい、」



静かに開いたドアから、侑李くんが顔を覗かせた。



.



A「 あ、、ごめん!起こしちゃった ···?」



ぴょこんと跳ねた一束の後ろ髪に、以前朝にも聞いた、寝起き特有の篭った声。


黙ったままこくりと頷いた侑李くんは、人差し指の背で目を擦った。




A「 ごめんね ··· あの、これ、パーカー返しに来たの。ありがとう!」


侑李「 ああ ··· 別に良かったのに、」



綺麗に畳んだつもりの彼のパーカーを両手で差し出すと、ぺこりと頭を下げてから受け取った。



A「 ありがとう!侑李くん優しいんだね 」


侑李「 !、······ どうも 」




あれ。ちょっと照れてる ···?と思ったのも束の間、

頬をほんの少しピンクに染めた侑李くんは、「 じゃあ 」と言ってあっという間に再び部屋へと消えてしまった。


私の気のせいか ···






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作者名:めい | 作成日時:2018年7月15日 16時

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