伏黒の兄 0 (ページ5)

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2話ページ5

翔side

初めて見る景色、初めての場所、

………初めての恐怖

直感で分かった、

"この人たちは僕を殺そうとしている"のだと

ただどうでも良かった

自分がなんなのかわからない、から

名前、親の顔、全てが分からなかった

「…恨むなよ」

そう1人の男がナイフを下ろしながら言った。
目を瞑った瞬間、ただその一瞬だけで、
頬に暖かいなにかが走った。

目を開けると男たちが倒れ、周りは赤だけだった。

？「おい、クソガキ生きてるか？？」

この人たちを倒したであろう人が立っていた。
この人の第一印象は黒……いや、狼か

そんな言葉が似合うほどに1人でたっていた。
獲物を殺したように、王者の風格があったから。

ﾌｩ-ﾌｩ-……
風が吹き、雪のせいか肺が凍てつくように寒い

それがより緊張感が高くなる

その緊張感を破るように男は言った。

？「…お前、名前は？」

僕は、

『……………わからない』

としか言えなかった、、、

"また殴られる"そう思った。

？「そうか、、、、じゃあお前の名前は翔だな」

『……え？』

僕の頭に手を置いて微笑んで言った。

何を言っているのだろう、、、
僕を拾っても何も意味も価値もないじゃないか

？「ほら、帰るぞ」

そう言うと、腕に僕を抱えて上げて歩だした。
…あまりに急すぎて頭がつていかない。

？「俺の名前は伏黒甚爾。…お前の父親だな。」

不器用な優しさ。

それがとても、嬉しかった。

…視界が潤む
歯止めが効かない涙が頬を濡らす

『…はいｯ、おとーさんｯ』

__どこか、冷たかった心が暖かく感じた瞬間だった

12月11日小さな思い出

__これが僕とお父さんな家族になった日_