狭間に生きるモノたち肆【ars 妖怪】 (ページ11)

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雪男とページ11

ーMsideー

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「…遅い!!」

翔さんと夕飯作ってる途中で、雅紀とAに智を呼んでくるように頼んだ。

なのに帰ってこないからって翔さんが3人を探しに行った。「もしかしたらすれ違ってるかもしれないから、お前は家にいろよ」とか頼まれたから、出るに出られなかった。

そんな悶々してる中で智は帰ってくるし！
そしたら雅紀が智連れてくし!!

「なんかあってんなら、説明くらいしてから行けよあの馬鹿!!」

机を拳で思いっきり叩いた。

っクソ!!

ドアに“今日はゲームのイベント集大成だから晩御飯いらないってか邪魔すんな”って張り紙してあるニノが恨めしい。

…邪魔してやろうかな。

ていうかニノに頼んで札で索敵してもらった方がいいんじゃね？

そうじゃん。なんでさっさとそうしなかったんだ。
そうすりゃこんなヤキモキしなくて済んだんじゃんか。

そうと決まれば早速行動に移そう。
流石のゲーマーもAの為なら動くだろ。

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気がついたのはニノの部屋に向かうために、廊下に出たその時だった。

強い妖気がこの家に近づいてきてる！
しかもこの妖気は…

進路を玄関に変えて、
慌てて下駄を履いて表に出る。

道の向こう側に、翔さんがふらふらと力無く歩いてくる様子が目に入った。

潤「な、んで…」

翔さんの周囲には
キラキラと耀く、雪の結晶が舞っていた。

なんでこの時期に、こんな妖気がダダ漏れになるほどの妖力をつかったんだ？

それに力の消耗が激しかったからか、妖気のコントロールが出来てない。

多分、ここまで帰ってくる間にも関係なかったはずのヤツらが妖気に当てられて、その相手までしたんだろうな…

とりあえずどうすっかな。このままだと、
俺も翔さんの妖気に当てられそうだし。

一応妖刀持っとけば大丈夫か…？

腰に差している妖刀に妖力を込める。
刀から溢れてきた濃い紫色の煙を纏って、
俺は翔さんに近づいた。