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1杯目 ページ1

いつもの変わらない朝。


部屋の鍵の音で目が覚める。


目も合わせない、会話もしなまま床に残飯を捨て出ていく母親。


食べないよりもマシだ、と思い床に散らばった残飯を口へ運んで行きたくもない学校へ行く支度をする。


学校へ行く時しか許されない外へ出ると、雨が降っていた。


今更今日は雨か、と気付いた。


雨は好きだ。


心にある嫌なことが雨で浄化される気がするから。


傘をさして学校へ向かう。


前までは今までの唯一の逃げ場だった学校も今じゃ地獄。


机の上に油性ペンで書かれた暴言。


△)「おっはよー!あれ、今日も来たんだ。来なくていいのに」


ドンッと押されロッカーにぶつかる。


△)「今日も可愛がってあげるね、Aちゃん...?」


私はずっとこうだったから。


今更どうってことない。


一人ぼっちだから。


授業が終わって、次の移動教室に行こうとしたら、


「Aちゃん、ちょっといい?」


あぁ、またか。


ここで断ったらもっとエスカレートする。


ここは従うしかないか。


〇)「...ん、いいよ」


一番奥の女子トイレに突き飛ばされる。


△)「いつになったら消えてくれんの?マジウザイんだけど」


慣れって怖いね。


慣れるなって言われてもいつの間にか慣れてるんだから...


△)「何か言いなさいよ、黙ってないでさぁ!」



パシッ


頬に乾いた音がする。


叩かれたのか、気づくのにはそう時間はかからなかった。


△)「何その目。その目がムカつくんだよ!」



後ろで隠していたであろうバケツに入った水をかけられる。


△)「はっ、いい気味。今日はこれぐらいで勘弁してあげる。片付けときなさいよ」


持っていたバケツを投げ捨て去っていく。


あーあびしょ濡れだよ、下着透けちゃう。


体操服に着替えようとしたが今日は雨でなかったんだ。


溜息をつきながら下駄箱へ向かうと傘がなかった。


しょうがない、そのまま帰ろう。


走って校門を後にした。

2杯目→



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作者名:ゆーり@crew | 作成日時:2019年2月19日 20時

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