ずーっと、まっててな【青】2 (ページ23)

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『…アメリカ…？』

私は一瞬。耳を疑った。

藤井「うん。今さっき淳太に言われてん。明日中にはこっちを出発せなあかん」

『そう…なんや…』

返す言葉が、見つからない。

ただただ涙が頬を伝って流れていくだけ。

こういう時、なんて言えばええの？

なんて返すのが正解なん？

藤井「泣かんといてや…A。」

『む、りやっ…そんな、泣くなっ、とか…っやっと、やっと両想いやって分かったのに…2人で１つに、なれたのにっ…！』

気付けば「嫌や」「無理や」「やっとなれたのに」なんて、流星を困らせるだけの言葉を吐いて。

…こんなんやあかんって分かっとるのに。

出てくる言葉全てが、流星を困惑させて。

藤井「大丈夫。ちゃんと4年で帰ってくるし、半年に1回日本に戻ってくる。毎日電話やってする。絶対Aを1人にさせんから。もう…悲しい想いさせへんから」

私の涙を優しく手で拭いとりながら「大丈夫、大丈夫」と何度も言ってくれる流星の優しさに、私はまた甘えてしまう。

私が言わなあかん言葉やのに。「流星なら大丈夫。頑張れ」って。

流星がまた側からおらんくなるって考えたら、悲しさも寂しさも不安やってたくさんある。

でも…そんな私の気持ちとは比べものにならんくらい流星の方がきっと不安なはず。

私が安心させてあげんで、どうするんよ。

『流星…っ私、ずっとまってるから！流星が帰ってくるまで、ずっとずーっと流星のことだけを想ってまってるからっ…やから、頑張ってきて…応援しとるから…！』

藤井「A、ありがとう。やるべきことやって必ずAの元に帰ってくるから。

やから…俺が帰ってきたら…っ」

"俺と結婚してくれますか？"

『…っ！』

「ウェディングドレス着るんは4年後になってまうけど」とはにかむ流星に、私はこれでもかと言うくらいに抱きついた。

藤井「絶対戻ってくるから。それまでずーっと、まっててな」

"それまでずーっと、まっててな"

20年前のあの日と同じ、流星の言葉。

私は変わらんよ。4年後も5年後も10年後も…20年経っても。

ずっと流星だけを想い続けるし、ずっと流星だけを愛し続ける。

やって私が心から愛する人は

今も昔も流星ただ1人やから____

FIN