”赤” 6 ページ12
『そして目覚めると知らない場所な』
「何を言ってるんだ」
『ううん。独り言』
起き上がりゆっくりと伸びをする。
目の前の人物を眺める。
黒い髪の毛に赤い眼、まだ日本では珍しい洋服。
まさに傲岸不遜、といった顔つきだ。
「失礼だな」
『いやあ、気のせい気のせい。
それよりも、おはよう。
.
_____
ニヤリ、と笑ってみせれば兄はフン、と鼻を鳴らす。
「ああ。
とは言ってももう夕方だ」
『そっかー。夕方………
夕方!?なんで!?』
「お前がずっと眠りこけているからだ」
確かにぐっすり寝たけど、と思うが。
『起こしてよ!!』
兄は何故だ。とでも言うかのような顔をした。
殺気がでてる。
あれだな。起きたきゃ自分で起きろって。
起こす為だけにわざわざ私を使うな、と。
『そんなんだから皆に嫌われ……違う。これは別の人のだわ
そんなんだから皆に怖がられるんだよ』
「構わん」
あっそう。ならいいや。
『でさ、なんで俺裸?
服は?地味に怖いんだけど。服は?』
別に誰に見られても恥ずかしくない身体な気はするけど(?)
しっかり鍛えてるし。
『おーい。服はー?』
なんで答えてくれないの。
「お前を鬼殺隊に戻す気は無い。」
『ああそう。
____えっ』
鬼殺隊に戻す気はない?
つまりこれは反抗すれば殺 す、と。
そういう事か?
『戻るよ』
「戻れると思うか?」
『久しぶりに会えて嬉しかったよ。兄さん』
でもね、と俺は立ち上がる。
裸とか気にしない。男だし。目の前にいるのは兄だし。
『俺は俺の意思でここを出ていく。
じゃあね』
扉に近づいたが、パシ、と手を掴まれた。
そのまま引っ張られ、兄の腕の中に収められる。
抱きついた__そんな生温いもので済めばよかったのだが。
『ぐっ…………ぁ、がっ!!』
首に躊躇なく噛みつかれ、苦鳴がもれる。
身体から少しずつ血が抜けていく感覚と得体の知れぬ物が入ってくる感覚に鳥肌が立つ。
『は………なせ……っ!』
目が合った。
バチン!と弾かれたように兄は距離を取る。
右眼を抑え、今のは……?と呟き困惑しているようだ。
こちらとて無事ではない。
荒い息をつき、そっと首に触れる。
_____既に傷はない。
はあ、と溜め息を吐いてその場を離れようとする、と。
「持っていけ」
バサリ、と背中に何か当たった。
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皐月蒼&夜(プロフ) - 妖狐の見習いさん» コメントありがとうございます!こちらこそ矛盾した書き方となってしまい申し訳ありません…!リクエストお受けしました。 (2020年5月16日 10時) (レス) id: 1190da7c8b (このIDを非表示/違反報告)
妖狐の見習い - ぁぁぁぁぁぁぁぁ…すみません。リクエスト受け付けてませんでしたね…ご都合血鬼術で、お願いします (2020年5月16日 0時) (レス) id: c03bca7657 (このIDを非表示/違反報告)
妖狐の見習い - 初コメ失礼します^ ^すっごく面白いですしのぶさん、推しなので…リクエスト、出来たら、あ、出来たらでいいのですが、天然な夢主が、心の中が、読めるようになったら、パニくるんじゃ無いでしょうか?最新楽しみにしてます頑張って下さいね^ ^ (2020年5月16日 0時) (レス) id: c03bca7657 (このIDを非表示/違反報告)
皐月蒼&夜(プロフ) - 疾風-はやてさん» あああありがとうございます!そう言って頂けるととても励みになります…!ちょっと天然(?)な2人組ですが……面白く書けるよう頑張ります! (2020年5月1日 17時) (レス) id: 1190da7c8b (このIDを非表示/違反報告)
疾風-はやて - 面白いです!義勇さんとの合同任務楽しみですねー!更新頑張ってください! (2020年5月1日 16時) (レス) id: a73b9ea5c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜月 | 作成日時:2020年4月24日 23時