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｢私の名を他人に伝えてはいけないよ｣
ふりかえる。
『………？ 』
首を傾げるAに、鬼舞辻は頭を撫でながら繰り返す。
｢私の名を他人に伝えてはいけない。＿特に、鬼狩りには｣
ピクリ、と反応する。
『＿＿鬼狩り、？ 』
｢鬼殺隊という｣
Aは鬼舞辻と視線を混じらせる。
『きさつたい』
脳内で何度も繰り返す。
｢やつらは敵だ。
何度繰り返しても変わらない、異常者の集まり｣
『てき？ 』
｢そうだ。これまでと同じように、出会ったら殺せ｣
こくこく、と頷く姿を見て鬼舞辻は満足気に笑う。
＿＿今まで、何人も殺させて来た。
本当ならもっと産屋敷について情報を吐かせてから殺したいのだが、出会って鬼殺隊と認識するや否や首を切り落とすようになってしまった。
まあ、そのくらいの方がいい。
万が一柱と遭遇しのんびりしているうちに殺されてしまっては、せっかくの計画が台無しになってしまう。
それはそうと、いつの間にかAの元に鴉が増えていた。
鬼殺隊の元にいる鴉と同じ個体だが、来たその日にAが血を与え、自らの支配下に置いていた為、特に気にしてはいないが＿＿
『むざん』
気付けば、Aがこちらを見つめていた。
その瞳は、微かに楽しそうで。
『人が。おにがりがくるよ』
立ち上がり、無惨が与えた羽織を着る。
『鬼につられてやってくる』
鳴女に指示する。
Aが出られるように。
『鳴女さん鳴女さん。
いらっしゃいましたらおいでくださいな』
歌いそうな呼び声に応えるようにベン、と琵琶の音が響いた。
Aは、木の影と一体化し、気配を隠して様子を見ていた。
いる鬼は低級もいいところだ。
その鬼をやっとの様子で斬り捨てる隊士。
きんちょう、かんわ、あんど。
隊士が刀を仕舞い、ほっと息をついたその瞬間。
Aは音もなく後ろに回り、その首を斬ろうとして＿＿後ろからの殺気に大きく飛びずさる。
勿論、タダでは済ませない。
横に避けながら流れるように刀を入れ首を飛ばした。
吹き上がる血飛沫を視界の端に捉えつつ、殺気の正体を探る。
『だれ』
誰に聞かせる訳でもなく口の中で言葉が転がった。
｢許されざる行為だ。人を斬るなど｣
刀を構えながら現れたのは＿＿
『……』
ピクリ、と身体が反応する。
目が僅かに見開く。
だれ、だれだ。みたことある。しってる。このひと、おれは、このひとを。
わからない。おもいだせない。
なんだか、とても。
あたたかい。
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いおり(プロフ) - とってもドキドキして、続きが気になりまくりです……！！更新楽しみにしてます！ (2022年12月12日 19時) (
レス) @page30 id: c0ee6ff83c (このIDを非表示/違反報告)
シエルくん。 - めちゃ面白かった！！ (2022年11月28日 19時) (レス) @page30 id: 82384aca28 (このIDを非表示/違反報告)
ドングリ - 続きが気になるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ(ΦωΦ) (2021年7月10日 15時) (レス) id: 0adc01732d (このIDを非表示/違反報告)
猫の恩返し(プロフ) - ほう、、、覚悟はいいですか？(黒笑) (2021年5月23日 0時) (レス) id: 3ce4a98013 (このIDを非表示/違反報告)
皐月蒼＆夜/夜月(プロフ) - らんかさん» コメントありがとうございます！！本日更新させて頂きましたので、是非お楽しみください〜！ (2021年2月9日 11時) (レス) id: 1190da7c8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜月 | 作成日時：2021年1月3日 0時
