兄さんは日柱 【鬼滅の刃】

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翌日の夜、Aは不穏な空気を感じ取り、玄関に座っていた。

時刻はAの体感では優に日付が変わっている頃である。

先に眠った弟達や母を眺め、Aは思案する。

空は1度戻って来て炭治郎が三郎さんの家に泊まるということを告げたため、明日の朝は迎えに行くからと伝えるよう頼んだのだが一向に戻って来ない。

『(何かあったのか……空は賢い。熊は勿論、鬼に遭遇しても直ぐに逃げ出せるはず…)』

Aは目を瞑り、山全体へと意識を向け＿＿＿愕然とする。

『この、気配は………』

まだここから遥かに遠い。しかし、それを理由に無視など出来ない程禍々しい気配。

遠くにいるにも関わらず(､､､､､､､､､､､)上弦の鬼を眼前にしたかの様な気分。この気配は＿＿




『鬼舞辻無惨………否、まさか』

1度は首を振り、否定する。







冷や汗が額から頬を伝って落ちる。

気配が揺らぎ、家族を怯えさせないよう、必死で殺気と剣気を抑える。






Aは静かに立ち上がった。

帯を解き、着ていた服を脱ぐ。

隊服、羽織に身を包んで日輪刀を持ち上げた。





玄関まで向かい、最後に振り返る。

あの気配に、鬼舞辻無惨に遭遇し戦闘になれば＿＿恐らくここに戻ってくることは出来ない。

戦う前から諦めているように感じられてしまうが、それは現実的な判断だった。

前を向き、踏み出した瞬間後ろで動く気配がした。

｢A………？｣

母の声に、振り返りたい気持ちを堪え、拳を握り締める。

今振り返れば、きっと躊躇ってしまう。

心配をかけてはいけない。





小さく息を吸い、いつも通りの声で呟く。






『…………行ってきます、母さん』







＿＿＿さようなら。

今までありがとう。









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18と19の終わりを2つとも感謝の言葉にしつつ違いを出したかった
でも文才なかった


もしよかったら評価やコメントを！
あ、執拗いですねごめんなさい

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