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3音目 ページ4

次の日__


『お師さん。お師さん』

朝、Aは自らの師匠である宇髄天元を起こそうとしていた。

だが昨日とは違いAは一瞬で諦める。

『昨日も言ったけどよ!うるせえんだよいびきが!!もっと地味に寝ろっての!』

「お前今地味って言ったな!」

飛び起きる宇髄にAは叫ぶ。

『地味に寝ろって言ったんだよ!』

「いいだろ?寝てる間も派手だ」

『良かねえよ!横で寝てる俺の気持ちにもなってみろ!』

そのままうーんと伸びをする宇髄にAは睨む。

「あれだ。お前はもう少し落ち着いた方がいい」

『急になんだよ……』

ため息混じりに聞くAに宇髄はピッと指を突きつけた。

「柱になるかどうかって話も出てんだしよぉ、もう少しなんだ、威厳みたいのも」

『柱になるかどうかって話も出てんだしよぉ!?

それを早く言えよ!!』

話を途中で遮り、Aは宇髄の言った言葉をそのまま叫ぶ。

「だってお前、鬼50匹は倒したしこの前もなんかいただろ」

『下弦の陸だかってのがいたな。地味な奴』

「そうそう。あいつもスパーって切っちまったから御館様も評価してんだぞ?」

『スパーって、擬音すごいな』

「派手だろ?」

『派手じゃねえから早く着替えろ』

バシッと隊服を投げ付ける。

なんだ、派手じゃねえのか、とブツブツ文句を言っている宇髄を無視し、Aは庭に出て素振りを行う。

ひたすら、ただひたすらに素振りを続ける。

無心になって行えば直ぐに昼になる。

そして、宇髄の嫁である3人からおにぎりを貰い、食べたあともひたすら鍛錬に励む。

夕方には汗だくで屋敷に戻り、風呂で汗を流して仮眠をとる。

夕飯を軽くかき込んだら、夜___任務の時間だ。

『んじゃあ、お師さん行ってくるよ』

「おう。派手にやってこい」

自分の鎹鴉に案内を頼み、走って任務の地へ辿り着く。

「鬼狩りか!?」

その言葉も聞き飽きた。

鬼はみんな気配に気付かない。

呑気に人間を探して、Aが刀に触れ__首を切って初めてその驚いた声を上げるのだ。

呼吸なんて使うまでもない。

しかし、今日の鬼は違った。

直ぐに気配に気づいた。

久々に楽しめるか___そう思ったのも束の間、鬼は走って逃げ出した。

『うわ、ド派手に地味だな。お前』

呆れ返って刀に触れる。

『雷の呼吸、壱ノ型___霹靂一閃』

鬼の首が落ちた。

『地味だな、地味地味。カッコ悪』

つまらねえ、と言葉を漏らし、Aは屋敷に帰った。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 宇髄天元 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:夜月 | 作成日時:2020年5月15日 1時

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