２９ 約束の前日 ページ29
「片付け！急げー！」
澤村さんの掛け声で皆が一斉に散って体育館の片付けを開始する。勿論私達もだ。前のように急いだ挙句怪我をしないように気を付けて。
片付けを一通り終え帰る前にもう一度集合する。挨拶をしてからそれぞれが帰路に着くのだが蛍に呼び止められた。
「今日送ってく。」
あの日以来送られるなんてことは無かったので突然の申し出に心底驚いた。かなりどもりながらも「どうしたの？」と聞くいたが華麗に無視された。
「山口には言ってあるから」
とだけ言って私の家への道のりを歩き始める。私は山口への謝罪と私と蛍が2人で帰ることを了承してくれたお礼を心の中で呟き蛍の後ろを追った。
「ちょっと待ってよー」
今のは私の言葉ではない。入部事件から何となく気まずい彼女の声だ。蛍はかなり面倒くさそうに溜息を漏らしているが彼女にそれが通じているかどうかはわからない。
「ねえAちゃんと一緒に帰るんでしょー？方向一緒だから私も一緒に帰るね！」
一緒に居ていいかの問い掛けではなく決定事項の様だ。私と蛍はアイコンタクトをしてこの状況を諦め、且つ少しでも場が和むように助っ人を連れてくることにした。蛍は今舞花ちゃんのマシンガンに付き合っているので私が携帯を出す。
Aごめん、私達今舞花ちゃんと3人で正門出てすぐのとこに居るんだけど、こっちに来れない?蛍も来て欲しいって言ってるんだけど、、
送ってすぐに既読が付き返事はなかった。そして数分後には息を切らした助っ人が来てくれた。練習終わりに走らせて本当に申し訳ない！
「ツッキー！保志野さん！真田さん！帰んないの？」
山口くん！！！！と私はそれはもう歓喜して山口くんを迎え入れる。本当に優しくて気がきいて素敵だ。蛍の次に。
「帰ろーよー」なんてこの状況で助け船を出してくれる素敵な山口くんを拝みつつ舞花ちゃんはやっと足を進めた。数日前の朝の様に私は山口くんの隣だ。
前回はあの後拗ねられたので今日はちょくちょく山口くんと話に割り込んだ。舞花ちゃんに少し迷惑そうな顔をされた気もするが。蛍も疲れているところに可哀想なので舞花ちゃんには悪いがお邪魔させてもらった。
どうにかこうにか4人で話をし、舞花ちゃんと私の家の分かれ道まで来た。これはどうしたものかと思った
「あ、今日ツッキーとうちで晩御飯食べるんだった。時間に遅れちゃうよ！」
と蛍を引っ張って行ったので変に揉めなくてよかった。
最後までありがとう。
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きょん(プロフ) - 満月さん» ありがとうございます！私は小説を書くのはこれが初めてで稚拙で分からないことも多いですが、初心者なりに精進していこうと思っております。これからも宜しくお願いします。本当にありがとうございました (2018年7月31日 1時) (
レス) id: 5a2ab23246 (このIDを非表示/違反報告)
満月 - 今日見つけて読ませて頂きました。とっても面白かったです！更新頑張って下さい！！ (2018年7月30日 21時) (レス) id: d83bdf162b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょん | 作成日時：2018年7月29日 17時
