25 鈍い ページ25
「なんで舞花ちゃん?」とぽやっとした声で聞き返された事に毒気を抜かれたのか、蛍から出た深い溜息と共に重い空気もどこかへ消えた
どうにか気を取り直し改めて
「真田さんとは本当になにもなかったの?」
と聞き直される
今日の舞花ちゃんの雑談していた時のあの視線、少しキツめの言葉や態度。今までとの違いに確かに戸惑う事はあったけど、と部活での出来事を思い出し考えていると
「何されたの!」と肩を掴まれて対面させられた。
私が何かされたというのが前提な事も蛍のその焦りようにも私は焦って、慌てて否定する。
「違う違う、今日のこと思い出してただけ。確かにいつもより少し厳しいところはあったけど、でもそれは部活に真剣に取り組んでるからで。だから舞花ちゃんは悪くないし悪いのは私なの」
私からすれば本当のことを言っているが蛍はまだ信用していなかったので、蛍の勧誘を断ったのに部活に来たこと、部活中にぼーっとしてしまったこと、ドリンクの容器を落としてしまったことを蛍に話した。
蛍はそれを聞いてすこし考えた後
「確かに君も注意すべきところはあるかもしれないけど。僕が入って欲しくて勧誘したんだから、入部してくれたことに文句はないよ。あと勝手に辞めたら許さないから」
と言われた
予期せぬ甘い言葉にどうしたらいいか分からず
つい携帯を取ってSNSに『月島蛍がデレた』と書いて投稿しそうになった。
しそうになったというのは投稿直前に蛍に携帯を取られ強制的に削除された為だ。
「変な事しないでよね」と文句を言いながら自分の携帯を出して弄っている。
私はそれをボーッ眺めていたら「返事は」と言われた。
頭に?を浮かべていると、「勝手にやめない、わかった?」と念を押され「はい」と反射で答えてしまった。
ヒョイッと携帯を軽く投げて渡され画面を見ると、SNSアプリの連絡先には『月島蛍』の名前があった。驚いて彼の方を見ると
「何かあったら絶対連絡して」
それだけ言って一人ですたすた歩き出した。私が固まっていると蛍が早足で戻ってきて「君がいないと道わからないでしょ」とデコピンされた。
喜びの方が勝り全然痛くなかった。
「ねえ蛍。どうせ夜連絡取り合う相手居ないでしょ、仕方ないから送って進ぜよう」
なんて自分が送りたいだけだが本当に相手は居なさそうなので言ってみた。
「どうせ君が話したいだけでしょ」なんて軽くかわされたが、その後に「好きにすれば」とつけ加えられて今夜の予定が出来てしまった。
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きょん(プロフ) - 満月さん» ありがとうございます!私は小説を書くのはこれが初めてで稚拙で分からないことも多いですが、初心者なりに精進していこうと思っております。これからも宜しくお願いします。本当にありがとうございました (2018年7月31日 1時) (レス) id: 5a2ab23246 (このIDを非表示/違反報告)
満月 - 今日見つけて読ませて頂きました。とっても面白かったです!更新頑張って下さい!! (2018年7月30日 21時) (レス) id: d83bdf162b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょん | 作成日時:2018年7月29日 17時