１１ 部活 ページ11
「ごめん、もう1回言って」
本当は聞こえてる。それでも頭が追いついていない。
何故こうなった？
「だーかーら。
バレー部のマネージャーやらないかって言ってんの。」
少しずつ追いついてきた。
でも確かバレー部は綺麗な人がマネージャーにいたはず。
「なんで私？人選ミスしてるんじゃないの。」
嬉しいのだ。本心は嬉しい。とても。
美人なマネージャーがいる。それでも私を誘ってくれる。
沢山いる女子の中で私を選んでくれたことが嬉しい。
まあそんなこと素直に言えないから可愛げがない
ということは知っている。
「清水さんが合宿前に出来ればマネージャーを増やしたいらしくてね。帰宅部でいい人いたら誘ってみてって言われたの。」
清水さんとはきっと綺麗なマネージャーの事だろう。
いい人認定されていたのか、やはり嬉しい。
が、蛍くん自身が入って欲しくて勧誘した訳では無いことに少しだけがっかりした。
誘ってくれているだけでも有難いのは重々承知なのだが。
だがまあここでも素直になれないのが私だ
「えーどうしよっかなあー
蛍くんがどうしてもって言うなら入ってあげてもいいけど」
素直に入ると言えば良いものを、、、。
少し自己嫌悪しながら蛍くんがなんというか伺っていた。
「月島くーん！Aちゃん入らないなら私やりたい！」
突然凄い勢いでこちらへ駆けてきてそう言い放ったのは
舞花ちゃん。
これには蛍くんも驚いている。
私はどうしたらいいか分からずに黙っていると
「じゃ、放課後体育館ね」
と彼はあっさり述べてどこかへ行ってしまった。
ということは、私は用済み、
というかもう入らなくて良いのだろうか？
正直楽しみだったのに。
蛍くんと部活の約束するのも
バレーをしている所を見るのも
頑張っている人を支える仕事をするのも
私が素直じゃなかったから大切なチャンスを握り潰した。
かなり落ち込みそうだ。自分が悪いのは分かっている。
でもそれでも、これだけは、
蛍くんからの信頼は、少なくとも女子の中ではダントツだと
勝手に思い込んでしまっていた。
私は本当に周りが見えないらしい
「じゃあ頑張ってね」
と今できる全力の笑顔で舞花ちゃんを鼓舞する。
顔、引き攣っている気がするが、大丈夫だと願おう。
そんな私のじっと見て舞花ちゃんは言ったのだ
「ありがとうAちゃん！頑張るね！」
今まで見た中で1番の可愛らしい笑顔で。
言ったのだ。それはそれは、
とても嬉しそうに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きょん(プロフ) - 満月さん» ありがとうございます！私は小説を書くのはこれが初めてで稚拙で分からないことも多いですが、初心者なりに精進していこうと思っております。これからも宜しくお願いします。本当にありがとうございました (2018年7月31日 1時) (
レス) id: 5a2ab23246 (このIDを非表示/違反報告)
満月 - 今日見つけて読ませて頂きました。とっても面白かったです！更新頑張って下さい！！ (2018年7月30日 21時) (レス) id: d83bdf162b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きょん | 作成日時：2018年7月29日 17時
