やぶ病院は知っている

謎の紙切れ事件 ページ5

授業が終わり、ダッシュでカフェテリアに向かった。

若「アーヤ、遅い！」

ごめんねぇ…

翼「若武、今日の集合理由は？」

若「今日はだな…」

今日は…？

若「近況報告だ。」

事件じゃないのかぁ…
私も、若武病かも。

若「アーヤからな！」

今日は、あれを言えばいい。

彩「あの、今日の登校中に拾った、紙が気になっています。今度、警察に届けようと思っています。」

他に言うこと、分かんないし…

若「アーヤ、その紙を見せろ。俺の第六感が事件だと言っている。」

私は、鞄の中からファイルに入っている紙を出した。

彩「これだよ。」

見せると、みんな頭に？を浮かべていた。

小「『帝都病院に気をつけろ！』って何だろ？」

何だろねぇ？

黒「帝都病院で、何かが起こるんじゃないの？」

そうかも。

上「帝都病院って、最近急に容態が急変する患者が多発してるとこだよな。」

うーん、怪しいっ！

若「諸君、これは事件だ！アーヤ、記録！」

はいっ！

若「この事件を
『謎の勧告文が書かれた紙切れ事件』
　と命名する。」

すると、みんなが溜め息をついた。

だって、事件名がダサすぎたんだもの。

彩「そこは、
　『謎の紙切れ事件』
　だけで良くない？」

若武を除いたみんなが即手を挙げた。

若武は、拗ねていたけど。

きっと、自分が考案した事件名が採用されなくて、がっかりしてるんじゃないかな。

黒「若武先生、せっかくの事件なのに、元気ないね。」

瞬間、若武の目に光が宿った。

多分、事件だと言うことを思い出して、活気づいたんだと思う。

全く、単純なんだから。

若「アーヤ、分かっていることを報告しろ。」

私は戸惑った。

だって、分かっていることが少なすぎたんだもの。

私は、脳内で自分が知っていることをジグソーパズルみたいにつなぎ合わせて、一つの文にし、発表した。

彩「えっと、この事件の発端は、私立花彩が登校中に、『帝都病院に気をつけろ！』と書かれた紙切れを拾った事です。この、帝都病院では急に容態が悪くなる患者が多発しています。そして、只今浮上している謎は四つです。一つ目は、『帝都病院に気をつけろ』とはどういうことなのか。二つ目は、この紙は誰が書き、落としたのか。三つ目は、容態が急変しているのとこの紙切れに何か関係があるのか。四つ目は何故、容態が急変する患者さんが多発しているのか。」

ちょうどそういった時、チャイムがなった。

若「では諸君、次に会うときまで調べておくように。じゃ、解散っ！」

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