初恋 (木村柾哉) (ページ28)

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「それを知ったのが、体育祭。

" 花音ちゃんが、洸人に告白してるのみた"

なんて噂を聞いて。

いや、付き合ってんの俺だし、そんなわけないじゃん

なんて思ってた。洸人も何も言わなかったし。

でもそれは洸人の優しさで、同じクラスの奴が

動画撮ってて、見せてきたときに確信した。

あー、俺利用されてたんだな、って。」

だんだんと、曇っていく木村先輩の顔。

そんな顔するなら、話さなくていいのに。

私なら、そんか顔させないのに。

「それで、俺から別れよって言ったの。

でもついこの前より戻したいって言ってきて、

断ったんだけどね....、

何考えてるかわからないし、なんでそんなこと言ってきたのか

もわからない、」

木村先輩はまだ、富田さんが好きなのかな。

まだ好きなのに別れる選択をする事がどれだけ辛いか。

経験のない私にだってわかる。

『...、もう、いいです』

「...、あ、ごめん、こんな話興味ねえよって感じだよね、

でも、古屋さんには話しておかなきゃって思って、」

『そうじゃなくて、！』

興味ないから聞きたくないんじゃない。

今にも泣きそうなあなたの顔を、もう見たくないだけ。

『私なら、、そんな顔させないのにって、』

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