初恋 (木村柾哉) (ページ23)

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そして放課後になり、部活へ向かおうとした時だった。

「ねえ」

声をかけられ振り向き、立っていたのは知らない先輩。

『はい』

「ちょっと来て」

と、連れてこられたのは外にあるトイレ。

そこにはもう1人女の人が鏡でメイクを直していて。

横顔だけでもわかる、木村先輩の彼女さんだ。

「連れてきたよ」

「ねえ古屋さん、柾哉と関わるなって言ったよね？」

『えっと、別に関わってなんか、』

「さっき話してたじゃない。わざわざうちのクラスまで来て」

『あれは、先生に頼まれただけで、、」

『先輩に言い訳するんだ。』

『え、』

すると突然、両肩を押されて後ろに倒れてしまった。

『いった、....』

話してもないし腕掴まれたのこっちだし。

何も知らない先輩に無性に腹が立ってきた。

「何よその顔。」

『っ、じゃあ、ちゃんと捕まえておいて下さいよ、木村先輩のこと。

他の女の子と話さないように、腕なんか絶対掴まないように。』

私だって苦しい。好きな人に触れられたくない。

それがどれだけ辛いことか、彼女はきっとしらない。

「何言ってんの、調子乗んな」

声のトーンが変わり先輩が近づいてきたと思えば腕を振り翳した。

殴られる、と思い目を瞑った時。

？「何してんの」

聞きたいけど聞きたくなかった声に目を開く。

その人は、来てほしくないときにいつも突然現れる。

「っ、柾哉、」

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