初恋 (木村柾哉) (ページ22)

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逃げてきたのは教室、じゃなくて屋上。

A体調悪くて保健室にいるって先生に言って

と、京介にLINEを入れた。

たまには、サボってもいいよね。

Kyosukeわかった

Kyosuke平気?

Aうん、平気。

『はぁ、』

彼女いるなら、他の女の子の腕とか掴んじゃダメでしょ、

考えれば考えるほど、わからない。

でもさっき見つめられたあの顔は冗談でも何でもなくて、

本気の顔だった。

？「...ーい、おーいA」

『わ、京介、私寝てた？』

「うん、いびきかいてた」

『なんでここにいるの、』

「こっちのセリフな。保健室見に行ってもいないし、

屋上行ったら倒れてるから死んだのかと思った」

心配して見にきてくれたんだ。

『勝手に殺すな』

「まあ、元気そうでよかったわ。」

木村先輩の顔見てる時は元気、とは言えなかったけど。

京介の顔を見たらなんだか元気になってきた。

「...、なんか、あったの？」

『まあね」

「また木村先輩？」

木村先輩が悪いんじゃない。彼女さんがいても、まだ木村先輩を好きでいる自分が悪い。

『はぁ、もうやだ』

「そんなため息ついてたら幸せになるぞ」

『ため息つかなくてもとっくに逃げてる』

「話せよとは別に言わねーけど、取り敢えず教室戻ろうぜ」

時間を見れば、お昼休みが終わるまであと5分。

『うん、そうしよ』

と、京介と一緒に屋上の扉を開けた。

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