初恋 (木村柾哉) (ページ19)

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『別にしてない』

「してる」

『してないってば！！

...、ごめん、』

「あのさ、俺の見間違えかもだけど、さっき木村先輩と一緒にいたひと、昼休みに呼び出された先輩だよね？」

『彼女さんなんだって。』

「え？」

『彼女いるんだって木村先輩。まあ、あんなかっこよくて完璧だったらそりゃいるよね。』

いないなんて、今考えたらあり得ない事で。

西先輩が言いづらくて嘘ついたのかななんて。

「Aは、諦めるの？」

『諦めるしかないでしょ、笑』

「まあそっか、」

諦めるなよ！とも、諦めろ！とも言わないけど、何か言いたそうな顔をしている京介。

『京介だったらどうする？』

「え？」

『好きな人に恋人がいたら、諦める？』

「いや、好きな人に恋人がいても、好きな人がいても、諦めない。

と、思うよ、？」

真っ直ぐ伝えられた京介の想いがあまりにも京介らしくて恭介に想われる子が羨ましくなる。

『そっか、京介みたいに一途な人に想われる人は幸せだろうね』

「は、何言ってんの」

京介みたいに、木村先輩に想われたい。

彼女がいるから、諦めるほど難しい事はない。

それくらいに、木村先輩の事が大好きになっているんだ。

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