初恋 (木村柾哉) (ページ18)

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京「あ、忘れ物したわ昇降口で待ってて」

『わかった、』

部活が終わり、荷物をまとめ帰ろうとした時、なにやら忘れ物をしたらしくリュックを私に預けて校舎へ走って行った。

『重すぎ、何入ってんの』

男子高校生あるある。リュック重い。

重たいリュックを抱えて昇降口に着いた時、聞き覚えのある声と、見覚えのある姿。

薄暗くてわからないけど、多分そう。

『木村先輩、』

と、その横に

『あ、さっきの先輩、』

なんだ、やっぱ付き合ってるんじゃん。

仲良さそうに肩を並べて話している。やばい、こっちに来る。

私は携帯を触るフリをした。

柾「古屋さん！」

なんで気づいちゃうの。ほら、隣の彼女さんが睨んでるよ、

『お疲れ様です、』

無視するのも申し訳ないし、無視なんてしたくなくてそれだけ返す。

京介、早く来て。

京「お待たせA、あ、木村先輩どうも。」

柾「藤牧くん、」

『き、京介はやく行くよ』

京「え？」

『失礼します。』

気まずくて、苦しくて、今すぐ離れたくて。

抱えていたリュックを京介に押しつけ彼の腕を引っ張る。

「ねえ、」

「待ってよ、」

「A？」

「腕痛いんだけど」

『あ、....、ごめん』

「なんで、泣きそうな顔してんの、」

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