初恋 (木村柾哉) (ページ14)

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ちょっと、近い、かも。

折り畳みじゃなくて、普通の傘でも二人で入ると小さい。

でも、私の肩は濡れていなくて、そのせいか京介の肩がビッショリと濡れている。

『もうちょっと傾けていいよ？』

京「いや、いい。」

そう言う京介の顔見上げるけど、以外と大きいんだ。

中学の頃は並んで歩いたことなんてなくて気づかなかった。

京「肩、平気？」

『え？』

京「相当痛かったでしょ、拓実心配してた。」

『まあね、でも平気。タクミくんにもそう言っておいて。』

京「わかった。

で、保健室で、何してたの？」

『ああ、保健室出ようとしたらたまたま西さんが入ってきて、足捻ったって言ってたから手当してた。』

京「手当に１時間もかかるか？」

『ち、ちょっと、木村先輩の相談してた。』

京「相談？」

『うん。手当したお礼に協力してあげるっていわれて。』

京「ふーん、言いふらしそうな人だけどね。」

『意外と優しいよ？西さん。』

"ふーん、"なんて、口を尖らせてなんだか不機嫌そうな京介。

『送ってくれてありがとう。あと、傘も。ありがとね。』

京「うん。」

『じゃあ、』

京「あ、待って。』

『ん？』

京「西って人だけじゃなくて、俺にも相談してね、

俺の方がAのことよく知ってるし」

『？、あ、うん。ありがとう？』

京「じゃあ、また明日」

ん？なんだ？西さんに対抗心抱いてるんか？

まあいっか。

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