初恋 (木村柾哉) (ページ11)

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『こちらこそ、すみません。、って、東さん』

「あれ、古屋ちゃんどうしたの？あと、おれ西ね。」

『あ、西さんか。ボール肩にあたっちゃって、』

"あら大変“、保冷剤を当てている私の肩を心配そうに見つめている。

『西さんは、どうしたんですか？』

「足捻った、」

言われてみれば、さっきから片足に重心をかけている

『え、大丈夫ですか？今先生居ないですけど、』

「え、まじー？」

『私やりましょうか？

一応マネージャーなんで固定くらいはできますけど。』

「じゃあお願いしよっかな！」

『はい。』

再度保健室へ入り、西さんを椅子に座らせ、湿布を貼り包帯で固定した。

『これで大丈夫だと思います。』

「まじありがとう！今度なんか奢るわ！」

『いや大丈夫です。じゃあ、失礼します。」

「あ、まって古屋ちゃん！

あのさ、

古屋ちゃんって、柾哉のこと好きでしょ？」

『え、』

最悪。なんで気づかれてるんだ。

でも西さんに話しておいたら少しは木村先輩に近づけるかも？

ポジティブに行こう。

『実は、一目惚れしたんです。部活動紹介のとき。』

「一目惚れ？ほんとにいるんだそんなひと。」

『わ、私だって！びっくりしたんです。こんな気持ち初めてで』

「つまり初恋か。甘酸っぺぇ〜！

って、俺もしかして恋のキューピットだよね？」

『ん？』

「だって、だって、古屋ちゃんに水掛けなければ柾哉と話せなかったってことでしょ？」

まあ、間違ってはないけど。

『でも、付き合うとかそう言うのは半分諦めてます。

告白するつもりも、無いですし。』

「なんで？」

『だって、木村先輩人気者だから』

そう。想っているだけで、話せるだけで幸せ。

人気者の彼に告白して、付き合うなんて烏滸がましい話。

「なんだつまんないの、協力してあげようと想ったのに」

『え、してください！！！』

「いや、諦めるって今言ってたじゃん」

『協力してくれるなら、話は別です』

「めっちゃ好きじゃん。柾哉のこと。」

『はい。大好きです。』

「まあ？水掛けちゃったし、今日も助けてもらったし？

可愛い後輩ちゃんの為に協力してやるか〜」

『一生ついていきます西さん』

「古屋ちゃん軽っ、この間までめっちゃ冷たかったのに」

たしかに、この間まで面倒臭い先輩だと思っていたけど、

今はもう、神にしか見えない。

西さんしか勝たん。

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