コイシヨウ (ページ11)

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アトリエに着いて窓を開けて空気を入れ替える

ギャラリーで会った彼が後から来ると言ってたけど

どうしよう…

何かお茶でも用意した方が良いかなと
コーヒーカップを出していると

カチャ…

康二「こんばんは…」

キョロキョロしながら彼が入ってきた

『どうぞー』

どうやら作品を気に入ってくれた様で

康二「おー！めっちゃいーですねー！
へーこーいうのもあるんや…」

気付けばカウンターに沢山並べて
買って帰りますって

『こんなに沢山ありがたいですけど
良いんですか』

康二「メ… 仲間にもあげたいんで
めっちゃ気に入ると思うから」

『あの、お仲間ってお勤め先とかですか？』

こんなに沢山なんてどういうお仕事なのかちょっと
気になったりして

康二「あー、そうっすね
仕事仲間ですね」

『皆さん仲が良い職場なんですね』

わざわざ、職場にこんなに渡すなんて
なかなか居ないよ

一体どんな職場なのかな

スーツ着ていないし
IT関係かアパレルか…

康二「何の仕事って思ってますよね？」

『えっ？』

やだ、顔に出てたかな…

康二「仲間も絶対好きだと思うんで
今度連れてきても良いですか？」

『もちろんです。ありがたいです。』

好きになってくれる方がいるのはありがたい
またまた嬉しくなって、コーヒーいかがですかと聞くと

康二「コーヒー好きです。ありがとうございます！」

ニコニコな笑顔で答える彼

『あっ、お名前伺ってましたっけ？』

今ごろですみませんと言うと

康二「ホントですよ！
向井康二です。29歳です。」

『あ、ｵｰﾅｰが康二さんって言ってましたね…
すみません』

またやってしまった…

ちょいちょいこういう失敗をしてしまう

康二「えーですよ
今度こそちゃんと覚えて貰えれば」

『すみません。
しっかり覚えました。
あ、ワタシはAです。31歳です。』

康二「えー見えへんですね。
俺と同じか下かと思ってました！」

『いやいや、康二さんこそもっとお若いかと思ってました。』

スタイルも良いしホントに実年齢より若く見える

ラッピングしている間も話しは尽きなくて

康二さんはとても話し上手なようだ

『お待たせしました。
大分重いですけど大丈夫ですか？』

大袋2つ分もお買い上げ

康二「オッケーです。ほな、また来ますね。
あ、時間遅いけど大丈夫ですか？」

ワタシの心配までしてくれて
なんて好い人なんだろう