コイシヨウ (ページ2)

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…数日前…

アトリエの近くにあるお気に入りのギャラリーに立ち寄る

いやほぼ毎日通っているか

毎月の企画展が素晴らしくて

作家さんが在廊されていらっしゃる時には
作品についてお話しを伺ったりと勉強もさせて頂いている

『今回もほんとにステキ…』

天井から沢山のモビールが吊るされていて圧巻

ｵｰﾅｰ「Aさん、特に好きだもんね」

『可愛いですよね～。
なんだか、空気が和らぐ感じがして好きなんですよね…』

ｵｰﾅｰ「窓側の絶対Aさん好きだよ！」

路面に面した大きな窓側にあるモビール

『わぁ…』

外からの光で天井に出来た影がまるでゆらゆらと
海の中を泳いでいるみたい

ペーパークラフトの海の生き物がモチーフのモビール

とっても薄い紙で作られていて軽やか

店内のカフェコーナーでただただ作品を愛でる

ｵｰﾅｰ「今回はお気に入りあった？」

『はい。やっぱり窓側のかなぁ～』

ｵｰﾅｰ「やっはり！Aさんのアトリエに合いそうと思ったの！」

お迎えしますと伝えると、今回の企画展のフライヤーにもなっているので、会期終了後のお渡しということに

オーナーさんと、次の企画展のお話しをしていると…

『あのー
気に入った作品があるんですけどー』

ｵｰﾅｰ「はい、どちらですか？」

『この木のやつと…
あっちの窓側のなんすけど…』

ｵｰﾅｰ「あら、申し訳ありません
窓側の作品は売約済みになります」

『あー、そーなんすかぁーー
じゃあ、昨日見た時来てたらよかったなぁー』

あら……
【ゴメンナサイ、ワタシが購入しました】
気まずくて目をそらす

ｵｰﾅｰ「こちらの木製の作品はご購入頂けますよ」

『あ、はい
木製のでお願いします』

ｵｰﾅｰ「では、お包みしますね」

店内には他にお客さんもいなく
何となく目のやり場に困って俯きながら
コーヒーを飲んでいると…

『あれ？
昨日も居てましたよね？』

モビールを購入した彼から急に声を掛けられた