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蘭自身は作者のことをもっと詳しく知りたい気持ちはあったが、なんでもかんでも聞いてしまうと自分も同じ質問をされてしまう可能性があるため作者に質問を投げかけることは殆どしなかった。
した質問と言えば、漫画を描き始めたのはいつからだとか、おすすめの本はあるかとかそれぐらい。でも、二ヶ月も付箋でのやり取りが続くほどこの関係が蘭にとっては心地良かった。


担任に呼び出しを受けて行くのは蘭のプライド的に正直凄く苛つく為、最近は自ら学校に行くようになっていた。昼に行ったり、朝に行ったり。
前の席の作者が最新話を置いていく日以外は放課後まで残ることはなかったけれど、二日に一回は学校に出向くようになったのだ。勿論そんな兄を見た弟や同じチームの仲間はあり得ないという目で兄を見ていたし、正直ちゃんと道徳的なものを知っていたのだなと涙した。

蘭が学校に足を運ぶ理由は放課後の漫画目当てだけではなく、前に図書室で焼きそばパンとお茶をくれた女にオススメの少女漫画を紹介してもらうという目的があったからだった。
朝や放課後に図書室に行ってもおらず、昼休みだけにしか会えない女に何となく漫画の作者を重ねて見ていたりもする。

そんなある日の昼休み、図書室で待っていても女は来なかった。女は教室ではなく図書室で昼食を食べていると以前言っていたため休んだりしていなければ図書室会う度に此処で飯を食べているのを見ているのだから、十分経っても女が来ないこの状況に違和感が募る。
女を探そうと図書室から出て廊下を歩く。あの女が履いていたサンダルは自分と同じ色の物だと覚えていたので、三年の階の廊下を歩きながら片っ端から教室を覗いた。
自分たちの教室を覗き教室内を見回しては溜息を吐いて去って行く灰谷蘭の行動に生徒達は怯えながら何もせず去って行った蘭に安堵の息を吐いた。

自分の教室まで来た時、教室内が騒がしいことに気付く。どうしたのだろうと教室を夢中で覗く野次馬達に混ざりながら自分も見れば、ぐちゃぐちゃになったパンやおにぎりが床に落ちているのが見えた。
女の甲高い笑い声が聞こえて目線を其方にやった時、最近よく見る女の後ろ姿が視界に映った。

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muu(プロフ) - うちださん» 返信遅れて申し訳ありません。コメントありがとうございます。更新出来ず申し訳ないです。忙しさとこの先のストーリーが思い浮かばず止まってしまっていますのでもう少しお待ち頂けると嬉しいです。小説を沢山読むと文章の作りを理解できる様になりますよ! (2022年1月6日 17時) (レス) id: d72e1585a0 (このIDを非表示/違反報告)
うちだ - 続きを待たせていただきます!(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆文才を分けて欲しいです...! (2021年12月31日 14時) (レス) @page14 id: 58c5bf56bc (このIDを非表示/違反報告)
muu(プロフ) - nanaさん» コメントありがとうございます。更新遅れて申し訳ないです。好きと言っていただけて光栄です!ありがとうございます!頑張ります! (2021年12月25日 20時) (レス) id: d72e1585a0 (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - 語彙力なくて上手く伝えられないけどすごく好きです!頑張って下さい!応援してます!! (2021年12月25日 4時) (レス) @page10 id: 7f38ffe42c (このIDを非表示/違反報告)
muu(プロフ) - みなみさん» コメントありがとうございます。気が向いたら書いてみます! (2021年12月20日 20時) (レス) id: d72e1585a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:muu | 作成日時:2021年12月17日 20時

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