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どうしたものかと積み重ねられた少女漫画を眺めながら頭を悩ませていると、失礼します、という小さな声と共に図書室の扉が音を立てて開いた。
三つ編みお下げの丸眼鏡をした女が、分厚い本を顔半分が見えなくなるくらいまで重ねて持って立っていた。女の腕には袋がかかっており、恐らく中にはパンやらおにぎりやらが入っているのだろう。
ヨイショと言いながらカウンターに本を置いた女とバチリと視線がぶつかる。
「…お、おばけ！！」
「いや俺おばけじゃねーよ」
きゅうりを見た猫が飛び跳ねるみたいな行動をしてカウンターに隠れた女に笑いながら、言われた言葉を否定する。
まぁ確かに高校の図書室なんて殆ど誰も来ないからおばけと疑われてもしょうがないのかもしれない。女は蘭を警戒するように見ていたが、彼の手前の机に積み重ねられて置かれた本達を見てアッと声を上げた。
「しょ、少女漫画読むんですか！？」
「ん？…あー、ウン」
キラキラと目を輝かせながら俺を見る女に呆れた。ついさきほどはおばけだと思い込んで逃げたのに少女漫画を見つけた途端自分に近寄ってくる。
他の女なら俺の顔を見て怯えるか見惚れるかのどちらかなのに、どちらでもない反応にくすぐったくなった。袋を腕にぶら下げたまま先程の怯えた様子など微塵も見せずに近づいて来て少女漫画の表紙や裏表紙を見た後、一冊だけ本を手に取り渡してきた。
「コレ、オススメなので是非！」
「…これが？」
彼女が手に取った本は、少女漫画と言うには余りにも暗い話だった内容のものだった。所謂、行き過ぎた愛情というものがテーマの短編が詰まった一冊だ。
好きだから相手を傷つけたり、好きだから自傷をする。ストーカーをしている事にも気付かず自分が相手の恋人だと思い込むようなヒロインの恋愛相手に、自分に寄ってきた女達と重ねて見てしまい気持ち悪さを覚えた。
どうしてこんなものをオススメするのかという表情で見れば、彼女は微笑みながら自分の前の席に座った。
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muu(プロフ) - うちださん» 返信遅れて申し訳ありません。コメントありがとうございます。更新出来ず申し訳ないです。忙しさとこの先のストーリーが思い浮かばず止まってしまっていますのでもう少しお待ち頂けると嬉しいです。小説を沢山読むと文章の作りを理解できる様になりますよ！ (2022年1月6日 17時) (
レス) id: d72e1585a0 (このIDを非表示/違反報告)
うちだ - 続きを待たせていただきます！(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆文才を分けて欲しいです...！ (2021年12月31日 14時) (レス) @page14 id: 58c5bf56bc (このIDを非表示/違反報告)
muu(プロフ) - nanaさん» コメントありがとうございます。更新遅れて申し訳ないです。好きと言っていただけて光栄です！ありがとうございます！頑張ります！ (2021年12月25日 20時) (レス) id: d72e1585a0 (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - 語彙力なくて上手く伝えられないけどすごく好きです！頑張って下さい！応援してます！！ (2021年12月25日 4時) (レス) @page10 id: 7f38ffe42c (このIDを非表示/違反報告)
muu(プロフ) - みなみさん» コメントありがとうございます。気が向いたら書いてみます！ (2021年12月20日 20時) (レス) id: d72e1585a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muu
| 作成日時：2021年12月17日 20時
